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TKP Research Memo(1):2020年2月期第3四半期累計はオーガニック成長と日本リージャス連結化で拡大

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■要約

ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。また、ケータリングや宿泊などの周辺サービスによる差別化や高付加価値化にも取り組んでいる。

2019年5月31日に、レンタルオフィス「Regus」を展開する日本リージャスホールディングス(株)(以下、日本リージャス)の完全子会社化により、短中期のオフィス事業へ本格参入した。これまでの会議室利用(時間貸し)だけでなく、オフィス利用(月貸し等)への展開により、ポテンシャルの大きな日本のフレキシブルオフィス市場をけん引していく戦略である。さらに2019年8月9日には、台湾リージャスの買収を公表するとともに、台湾におけるリージャス事業の長期独占契約を締結(2019年12月1日より連結開始)。台湾を皮切りに海外展開に向けても舵を切った。

貸会議室は目的や予算に応じて5つのグレードに分かれ、261拠点・2,158室を国内外の主要都市に幅広く展開している(2020年2月期第3四半期末時点)。年間利用企業数は約35,000社(うち、上場企業約2,000社)に上るが、大手企業を中心とした上位顧客の売上構成比(利用頻度及び利用単価)が高い。また、85%の高いリピート率により安定収益基盤を形成するとともに、今後の事業展開の可能性を広げる重要な資産となっている。一方、日本リージャスは大手外資企業などを顧客に持ち、国内152拠点・23,087WS(ワークステーション:リージャス施設内の席数)のレンタルオフィス・コワーキングスペースを展開している。

1. 2020年2月期第3四半期(累計)決算の概要
2020年2月期第3四半期累計(3月−11月)の連結業績は、売上高が前年同期比48.8%増の396.74億円、営業利益が同42.0%増の49.59億円と大幅な増収増益となった。重視するEBITDAも同77.3%増の72.76億円と大きく伸長した。売上高は、上位グレードの貸会議室や付加サービスにより同社本体※が順調に伸びたことに加え、第2四半期からの日本リージャス連結化が大幅な上乗せ要因となった。利益面では、新規出店費用や減価償却費、事業拡大に向けた人員増強に伴う人件費に加えて、日本リージャス連結化に伴うのれん償却費が大きなコスト要因となったものの、増収によりカバーして営業増益を実現した。営業利益率が12.5%(前年同期は13.1%)と若干低下したのは一時的な統合費用の発生によるものであり、その影響を除けば、おおむね計画どおりの進捗と言える。財政状態については、総資産が「のれん」の増加等により前期末比161.8%増の1,336.91億円の規模に拡大した一方、自己資本についても公募増資や内部留保の積み増し等により同234.7%増の358.13億円に大幅増強した。その結果、総資産を拡大しながらも自己資本比率は26.8%(前期末は21.0%)の水準を確保している。

※同社本体とは、2020年2月期に連結子会社化した2社(日本リージャス、品川配ぜん人紹介所)による影響を除いたもの(以下、同様)。


2. 2020年2月期の連結業績予想
2020年2月期の業績予想(2019年8月16日付増額修正後)について同社は、売上高を前期比58.2%増の562.06億円、営業利益を同77.4%増の76.07億円と大幅な増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き上位グレードの貸会議室を軸とした出店やホテル事業の拡大等による同社本体の伸び(オーガニック成長)に加えて、第2四半期から日本リージャス、第3四半期から(有)品川配ぜん人紹介所、第4四半期から台湾リージャスの連結効果が上乗せ要因となる見通しである。一方、利益面でも、M&Aに伴う一時的な費用に加え、のれん償却費が新たな負担になるものの、増収効果や高付加価値化による収益性の底上げのほか、日本及び台湾リージャス連結化やシナジー創出により大幅な増益を実現し、営業利益率も13.5%(前期は12.1%)に上昇する想定となっている。

3. 成長戦略
日本及び台湾リージャスの買収に伴って、2019年8月16日に新中期経営計画を公表した。最終年度2022年2月期の目標として、売上高793.26億円、営業利益124.71億円(営業利益率15.7%)、EBITDA183.13億円(EBITDAマージン23.1%)を目指す内容となっている。引き続き、進行中のホテル事業の拡大に加えて、日本及び台湾リージャスとのシナジー創出や付加サービスの伸びにより、今後、拡大が見込まれるフレキシブルオフィス市場での圧倒的なポジショニングを確立するとともに、その事業モデルを海外へ展開することによって成長を加速する戦略である。国内拠点を現在の約15.7万坪・413拠点から、2030年に約42万坪・1拠点250坪換算で約1,500拠点へと拡大する構想も描いている。

■Key Points
・2020年2月期第3四半期(累計)業績は、オーガニック成長や日本リージャス連結化により大幅な増収及び営業増益を実現
・同社本体については、上位グレードの貸会議室や付加サービスの伸びにより第3四半期における過去最高業績を更新
・公募増資等により約234億円の資金調達を実施し、財務基盤の安定化にも取り組む
・これまでの会議室利用だけでなく、短中期オフィス利用への展開により、ポテンシャルの大きな日本のフレキシブルオフィス市場をけん引していくほか、台湾を皮切りとして海外展開も加速する方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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