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ドーン Research Memo(1):2020年5月期2Qはクラウドサービス成長と大口のライセンス収入により大幅増収

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■要約

ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウド型サービスで業績を伸ばしている。

1. 主力事業・サービス
同社の近年の成長の原動力となっているのが、クラウド型サービス「NET119緊急通報システム」である。聴覚や発話に障がいのある人のためのシステムであり、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。急病やケガ、地震災害や火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、2015年12月には東京消防庁、2016年10月には大阪市消防局で稼働が開始し、全国の自治体への横展開に弾みがついている。2019年11月末現在、導入済みの消防本部の管轄人口は約5,715万人(2019年11月末現在、契約済未稼働を含む)、人口カバー率は約45%に達する。

2. 2020年5月期第2四半期の実績
2020年5月期第2四半期の売上高は436百万円(前期比36.0%増)、営業利益107百万円(同568.2%増)、経常利益110百万円(同488.2%増)、四半期純利益78百万円(同518.7%増)と売上高・各利益ともに大幅な増収増益となった。売上高に関しては、主力の「NET119緊急通報システム」や「DMaCS(災害情報共有サービス)」等の防災や防犯関連のクラウドサービスの契約数が積み上がったことにより利用料収入が増加し、クラウドサービスの初期構築に係る売上(受託開発売上に計上)も堅調に推移した。加えて、GISのミドルウェア「GeoBase」のライセンスにおいても大口受注があり、大幅な増収につながった。原価率の低いクラウド利用料やライセンス収入の売上比率が高まったため、大幅な増益となった。

3. 2020年5月期の業績予想
2020年5月期通期の業績予想は、売上高で前期比15.3%増の1,030百万円、営業利益で同28.5%増の257百万円、経常利益で同27.3%増の261百万円、当期純利益で同18.6%増の185百万円と好調だった上期実績を反映して上方修正された。実現されれば5期連続の増収増益となる。2020年5月期もクラウドサービスの高い成長を見込んでいる。政府が全省庁のシステムを2020年秋から順次クラウドに切り替える方針を出していることも追い風となりそうだ。主力の「NET119緊急通報システム」については、総務省消防庁が各都道府県の消防に対して早期導入を促していることを背景に導入が加速する模様。営業利益率に関しては、前期以上の25.0%(前期は22.4%)を予想している。クラウドサービスの売上構成比が4割を超えての着地が予想されるなかで、収益性がさらに向上しそうだ。同社の売上高及び各利益は顧客の決算期に連動し、下期(第4四半期)に偏る。2020年5月期は売上高の第2四半期進捗率が42.4%(前年同期は36.0%)、営業利益の第2四半期進捗率が41.7%(前年同期は8.0%)と例年以上に上期が好調だった。ストック型ビジネスであるクラウドサービスが安定成長するなかで、下期(第4四半期)もこうした流れが継続し、利益が上積みされれば、2020年5月期通期では業績のさらなる上振れが期待できる。

4. 次代を担う事業・サービス
同社は、全国の警察機関向けに、110番通報の際にスマートフォンによるビデオ通話を行う映像通報システム「Live110」をリリースし、実証実験を行った。警察の通信指令室は、このシステムにより、通報者が撮影する映像から通報現場の詳しい状況(交通事故や違反の様子)を確認し、音声による110番通報だけでは把握が難しい視覚情報をリアルタイムで収集することができる。通報者は、音声による110番の際に、スマートフォン使用者であれば誰でも利用できる。Webブラウザ上でリアルタイムに映像の通信を行う新技術を採用しており、心理的な余裕がない緊急通報の際にも簡単な操作で迷うことなく使用できるのが特長だ。2019年秋に兵庫県警察本部で行われた実証実験では、その効果や問題点等の抽出が行われ、良好な結果を得たもようだ。早ければ来期には一部の都道府県から本格導入が開始される見込みである。

5. 株主還元策
同社は、安定的・継続的な株主還元を方針としている。2016年5月期以降は、好調な業績を背景に増配を続けてきた。2019年5月期の配当金は、期初予想で年6.5円(前期比0.5円増配)だったが、上方修正され7.5円(同1.5円増配)となった。配当性向は15.3%(前期は16.7%)。2020年5月期は、配当金年8.5円(前期比1.0円増配)を予想している。配当性向は当初16.8%予想だったが、業績上方修正を反映して再計算すると14.6%とやや抑え目の予想となる。過去4期連続で期初の配当予想を上方修正しており、2020年5月期も業績が順調であれば増配が期待できる。

■Key Points
・主力の「NET119緊急通報システム」の人口カバー率約45%へ。災害時・感染症拡大時の危機管理用クラウドサービスに強み
・2020年5月期第2四半期は、主力のクラウドサービス成長と大口のライセンス収入により大幅増収増益
・2020年5月期は5期連続増収増益を予想。2020年秋からの全省庁クラウド化方針が追い風
・警察、消防向けのクラウド型映像通報システムの実証が進む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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