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米国株式市場見通し:底入れはまだ先、新型ウイルスの収束待ち

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今週は月末、四半期末となるから、ポジション調整の動きが広がるだろう。株式投資家の恐怖心理の度合いを示すVIX指数は依然60台と歴史的にも高い水準にとどまっており、市場が依然脆弱である証拠となる。トランプ大統領は4月中旬の復活祭(イースター)までに経済活動を再開したいとの意向を示しているが、全米の新型ウイルスへの感染者数は中国やイタリアを上回り世界最多となり、収束する兆しはまだ見られず、経済活動の再開はまだまだ先になるとの見方が多い。政府や連邦準備制度理事会(FRB)による大型支援も時間稼ぎに過ぎず、第4、第5弾の支援が必要になるとの見方も少なくない。弱気相場の特性として、底入れ前に短期的にもう一度安値を試す可能性に警戒したい。著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏は新型ウイルスに対抗するための財政・金融刺激策は「バズーカ」以上の「核兵器」だと述べており、政府やFRBの速やかで大規模な対応を称賛し、4月頃の底入れと、その後の速やかな回復を予想しているようだ。

経済指標では、2月中古住宅販売仮契約(30日)、2月ダラス連銀製造業活動(30日)、1月S&P住宅価格指数(31日)、3月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)(31日)、3月消費者信頼感指数(31日)、3月ADP雇用統計(1日)、3月製造業PMI(1日)、3月ISM製造業指数(1日)、2月貿易収支(2日)、週次新規失業保険申請件数(2日)、3月雇用統計(3日)、3月ISM非製造業指数(3日)が予定されている。新型ウイルスの感染拡大による影響が経済指標でどの程度確認できるかが焦点となる。3月の消費者信頼感指数やISM非製造業指数では、個人消費の動向を見極めたい。また、全米の主要都市で外出禁止令が発令されたため多くの企業や小売り店が製造停止や休業を強いられるなか、労働市場の動向も注目だ。先週の週次失業保険申請件数は警戒された通り急増し300万件超と過去最大規模に達しているが、失業者の急増は始まったばかりだ。申請件数は今後4週間程度で、延べ1500万人、2000万人に達する可能性があり、失業率も4月には20%近くに上昇することが警戒されている。バーナンキ元FRB議長も短期的に経済指標で「恐ろしい結果がでるだろう」と警告。特に、国内総生産(GDP)は前期比年率で表示されるため30%マイナス成長などの脅威的な結果に覚悟が必要だとしている。

企業決算では、調味料メーカーのマコーミック(31日)ドラッグストアチェーンのウォールグリーンブーツ(2日)、中古自動車販売会社のカーマックス(2日)などが予定されている。調味料メーカーのマコーミックは外出規制などの影響で売り上げ増が期待される。また、ドラッグストアチェーンのウォールグリーンブーツも新型ウイルス蔓延に関連した需要急増により好決算が期待される。一方、2週間後に1-3月決算シーズンに入るが、新型ウイルスによる影響で不透明性が強く、多くの企業が業績見通しの提示を控える方針のようだ。

(Horiko Capital Management LLC)


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