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経済対策への思惑から売り一巡後の底堅さを見極め

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 30日の日本株市場は、不安定な相場展開になりそうだ。27日の米国市場では、NYダウは915ドル安だった。全米の新型コロナウイルス感染件数が中国やイタリアを上回る世界最多となるなど、収束の兆しが見られず見通しが悪化。また、3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が3年半ぶり低水準となったことも下押し圧力につながっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比520円安の18560円。円相場は1ドル107円70銭台と、円高に振れて推移している。

 新型コロナウイルスの感染者は、29日の1日で全国で169人となり、28日の200人に次ぐ人数となるなど、感染者が拡大している。感染者が最も多いのは米国で、13万人を超えたほか、欧州で最も大きな被害が出ているイタリアは依然、1日当たり数千人単位で増え続けており、経済への影響がリスクオフ姿勢を強めそうだ。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売りが先行することになろうが、配当落ち分が180円程度とみられているため、この部分を差し引いてどの程度底堅さがみられるかが注目されるところである。一方で、感染者が拡大している背景には、検査システムの稼働率が上がっていることもあるため、システム整備が整ってきているとの見方もされる。

 政府は人工呼吸器の増産を関連企業に要請する方針を明らかにしたと伝えられているほか、トヨタ<7203>の米国法人は、生産技術を人工呼吸器メーカー2社に提供するなどして増産を支援すると発表している。また、菅官房長官は、雇用の維持に最優先に取り組むとしたうえで、大規模な経済対策を講じる考えを強調している。米国などが大規模な経済対策を発表しており、日本においても大規模な経済対策への思惑が下支えになりそうである。

 その他、日銀のETF買い入れに伴う需給面での下支えも意識されやすいところ。27日に発表された24日時点のヘッジファンドのVIX指数先物の差引き建玉は18700枚程度のショートとなり、前週比6万枚超も減少している。アンワインドに絡んだ機械的な株式売却といったパニック的な状況への懸念は和らいでいることもあり、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところであろう。
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