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23日の香港市場概況:ハンセン0.4%高で続伸、銀行株安で上値は限定的に

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23日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比83.96ポイント(0.35%)高の23977.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が33.79ポイント(0.35%)高の9703.99ポイントとそろって続伸した。売買代金は965億4400万香港ドルとなっている(22日は970億5800万香港ドル)。


米経済の回復期待で昨夜の米株が反発した流れを継いだ。ムニューシン米財務長官は22日、米メディアのインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大で停止している経済活動に関し、「大部分は8月末までに再開するだろう」と述べている。原油相場の持ち直しもプラス。昨夜のWTI原油先物は一時10%超下げたものの、19.1%高と反発で終了した。石油輸出国機構の加盟国と非加盟産油国による「OPECプラス」は13日に大規模な協調減産で合意したばかりだが、イラン石油相が「合意された以上の減産を要する」などと発言するなど、市場では追加減産の思惑が高まっている。


ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの
(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.6%高、同じくカジノの金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が2.8%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)と石油生産大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)がそろって2.4%高と上げが目立った。このほか、通信キャリア大手の中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)が2.2%高。業績の回復期待が浮上している。同社が昨日引け後に公表した1~3月期決算は14%減益だったものの、第4世代(4G)携帯電話の加入件数は3月にプラス成長を回復したことが判明した。


セクター別では、医薬品が高い。上海復宏漢霖生物技術(シャンハイ・ヘンリウス・バイオテック:2696/HK)が7.0%、翰森製薬集団(3692/HK)が6.8%、金斯瑞生物科技(ジェンスクリプト・バイオテック:1548/HK)が2.5%、上海復星医薬集団(2196/HK)が2.2%、中国生物製薬(1177/HK)が1.6%ずつ上昇した。そのほか、オンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が3.5%高。上場来高値を連日で更新した。


農業関連セクターも物色される。肥料販売中国最大手の中化化肥HD(サイノフェルト:297/HK)が2.9%高、農機メーカー中国大手の第一トラクター(ファースト・トラクター:38/HK)が2.8%高、アグリビジネスの超大現代農業(682/HK)が2.4%高、トウモロコシ加工の大成生化科技集団(グローバル・バイオ−ケム・テクノロジー:809/HK)が1.5%高で引けた。


半面、中国銀行セクターの一角はさえない。中国郵政貯蓄銀行(1658/HK)が1.8%安、中国銀行(3988/HK)が1.4%安、中国民生銀行(1988/HK)が1.3%安、中信銀行(CITICバンク:998/HK)が1.1%安と下落した。業績の不透明感が改めて意識されている。中国銀行保険監督管理委員会は22日、銀行の不良債権比率が3月末時点で2.04%に上昇したと発表(昨年12月末は1.98%)。第2四半期はさらに上昇すると予測した。中国銀行に関しては、原油先物商品「原油宝」を巡る混乱もネガティブ材料。20日のWTI原油先物5月限が史上初のマイナス圏に沈むなか、原油先物に連動した同商品では、マイナス価格で決済(売却)した側が投資代金のほかにマイナス分の代金を支払うことになった。本来であれば、損失は投資額に限定される。商品に欠陥があったとして、集団訴訟の動きもあると伝わった。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.19%安の2838.50ポイントで取引を終えた。銀行株が下げを主導する。ハイテク株、不動産株、公益株、インフラ関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。産金株、海運・港湾株、農業関連株、消費関連株の一角も買われた。
亜州リサーチ(株)



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