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24日の香港市場概況:ハンセン0.6%安で3日ぶり反落、米中に景気不安

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24日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比145.99ポイント(0.61%)安の23831.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が47.80ポイント(0.49%)安の9656.19ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は827億9900万香港ドルにやや縮小している(23日は965億4400万香港ドル)。


内外に景気先行き不安がくすぶる流れ。米国では、製造業とサービス業をあわせた4月総合購買担当者指数(PMI)が27.4に落ち込み(3月は40.9)、2009年の統計開始以来で最低を記録した。中国では、企業業績の不安が浮上。新型コロナウイルスの流行を受け、中国企業の業績は大幅に悪化している——などと伝えられた。メディア集計によると、今月22日までに2020年第1四半期(1~3月)の業績見通しを発表した上場企業約1650社のうち、最終赤字を予告した企業が715社と全体の4割超を占めている。減益を予想した企業も合わせると同比率は7割に達し、重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した03年以降で最も高い比率を記録した。ただ、大きく売り込む動きはみられない。中国の金融や財政に対する期待感は依然として根強い状況だ。中国人民銀行は朝方、1年物の「ターゲット中期貸出ファシリティ」(対象を絞った中期貸出制度:TMLF)を通じ資金を供給。金利は3.15→2.95%に引き下げている。


ハンセン指数の構成銘柄では、香港中心地に商業施設を保有する九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.41%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が2.4%安、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)と不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)がそろって2.3%安と下げが目立った。九龍倉置業地産投資については、6月中間期の赤字転落見通しが売り材料視されている。


セクター別では、半導体や通信設備・工事が安い。華虹半導体(1347/HK)が5.4%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.6%、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.4%、京信通信系統HD(2342/HK)が8.1%、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.5%、中国通信服務(552/HK)が2.5%ずつ下落した。半導体業界を巡る不透明感が重し。世界大手の米インテルは23日、新型コロナの影響が読めない説明し、一旦提出した2020年通期業績見通しを取り下げた。また、通信設備メーカー大手の京信通信は24日、第三者割当増資を実施すると発表。1株利益の希薄化などが嫌気された。


半面、天然ガスや石油、石炭などエネルギー関連セクターは物色される。中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が8.0%高、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が3.3%高、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が0.8%高、中国中煤能源(1898/HK)が0.5%高で取引を終えた。原油高がプラス。WTI原油先物は昨夜、19.7%高と大幅続伸した。経済活動の再開で石油需要が回復するとの見方が広がっている。


一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.06%安の2808.53ポイントで取引を終えた。保険株が安い。テレワーク関連株、ハイテク株や医薬品株、海運株、インフラ関連株、資源・素材株、不動産株、銀行・証券株なども売られた。
亜州リサーチ(株)



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