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ナノキャリア–20年3月期は2ケタ増収、優先順位を明確化し営業損失を大幅改善

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ナノキャリア<4571>は13日、2020年3月期決算を発表した。売上高が前期比11.3%増の5.52億円、営業損失が11.05億円(前期は18.02億円の損失)、経常損失が11.44億円(同17.74億円の損失)、当期純損失が20.09億円(同18.08億円の損失)となった。

主要パイプラインの進捗状況について、シスプラチンミセル(NC-6004)を最優先課題とし、欧米地域における頭頸部がんを対象としたNC-6004及び免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ(R)」との併用による第II相臨床試験に集中した開発を推進中であり、2019年7月より投与を開始し、順調に患者登録が進んでいるとしている。
エピルビシンミセル(NC-6300)は、米国で軟部肉腫を対象に第I/II相臨床試験を実施中。対象疾患として軟部肉腫の一種である血管肉腫にターゲットを絞り、有効性及び安全性を確認する追加試験を実施中で、2019年10月に投与を開始した。第I相パートにおいて、登録された血管肉腫の患者2例中2例で奏功(PR)が確認されたとしている。
パクリタキセルミセル(NK105)は、ライセンス先である日本化薬< 4272>から、乳がんを対象に第II相臨床試験を実施中となっている。

導入パイプラインの進捗状況について、Vascular Biogenics Ltd.(イスラエル、以下VBL)から国内の開発及び販売権に関するライセンスを取得した遺伝子治療製品「VB-111」は、現在、VBLが米国を中心にプラチナ抵抗性卵巣がんを対象に国際共同第III相臨床試験(OVAL試験)を実施している。2020年3月に良好な中間解析の結果が発表されたことを受け、第3相試験に国内も参画する方針を決定している。同社は2019年11月、同パイプラインの国内開発に関し、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)に基づく第一種使用規程の厚生労働大臣・環境大臣連名による承認を取得しており、年内にも国内臨床試験を開始するため準備を進めているとしている。
セオリアファーマとの共同開発を行っている耳鼻咽喉科領域における開発候補品(ENT103)は、国内において中耳炎を対象とした第III相臨床試験を実施しており、2019年5月に登録を開始している。
2019年4月、エイオンインターナショナルから「Acti-PRP(血球細胞分離機)」の国内販売権を取得した。婦人科領域における不妊治療への応用として、産婦人科PRP研究会の会員施設に対し「Acti-PRP」を販売し、あわせて臨床研究を実施している。


化粧品事業の状況については、アルビオンが販売する美容液エクラフチュール及び薬用美白美容液エクシアALホワイトニングイマキュレートエッセンスIDD用の原材料を供給している。また、同社との共同開発製品であるスカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」事業を共同で推進している。

2021年3月期通期の業績予想については、売上高が前期比38.9%減の3.38億円、営業損失が14.95億円、経常損失が14.96億円、当期純損失が14.90億円を見込んでいる。
前期比の売上高減少については、主に、開発マイルストン等の減少によるものとしている。


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