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新興市場見通し:マザーズ上昇ピッチ速め1年ぶり高値、IPO再開も

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先週の新興市場では、マザーズ指数が再び上昇ピッチを速めた。日経平均は国内外での経済活動再開への期待を支えに緩やかな上昇基調を維持。とはいえ米中対立などの懸念材料を抱え上値もやや重く、個人投資家を中心に中小型株への物色シフトを強めたとみられる。アンジェス<4563>がリバウンドを見せ、成長期待の高い銘柄も軒並み大きく値を上げた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.8%であったのに対して、マザーズ指数は+10.4%、日経ジャスダック平均は+2.9%だった。マザーズ指数は5月21日まで5営業日続伸し、終値としては昨年5月8日以来の高値を付けた。

個別では、前述のアンジェスが週間で24.6%高となり、再びマザーズ時価総額3位まで浮上してきた。新型コロナウイルスのワクチン開発を巡るリリースが相次ぎ、材料視された。時価総額トップのメルカリ<4385>は同4.0%高となり、フリー<4478>が同12.9%高、ラクス<3923>が同20.5%高と大きく上昇。売買代金上位ではアンジェスとともにNexTone<7094>などが賑わい、BASE<4477>は決算が好感されて大幅高となった。また、アイ・ピー・エス<4390>が週間のマザーズ上昇率トップだった。一方、今期も2ケタ減収減益が続く見通しのミクシィ<2121>が同10.7%安となり、フィンテック グローバル<8789>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同5.0%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同9.2%高と堅調。ハーモニックは受注の改善傾向が続き、好感された。また、テラ<2191>が新型コロナ治療を巡る期待から大商いとなり、週間の売買代金、上昇率ともジャスダックでトップとなった。一方、セリア<2782>は同1.6%安。直近の決算を受けて、先行きに対しやや厳しい見方が多く出ていた。また、オンキヨー<6628>などが下落率上位に顔を出した。

今週の新興市場では、個人投資家を中心とした中小型株の循環物色が続きそうだ。マザーズ指数は3月に付けた年初来安値527.30pt(取引時間中)から先週末の高値936.89pt(同)まで2カ月あまりで400pt以上上昇。ここまでけん引役となってきた銘柄は高値警戒感が出てきそうな株価水準となっている。しかし、個人投資家には主力大型株の手掛けづらさが意識され、低金利環境の長期化観測や新型コロナによる社会変化など追い風に新興成長株へ資金が向かう構図はまだ崩れそうにない。

緊急事態宣言が段階的に解除され、企業活動が正常化に向かうとともに、Sansan<4443>やギフティ<4449>などが出遅れを取り戻す展開も見込まれる。なお、今週は5月25日にジーンテクノサイエンス<4584>、27日にポート<7047>、29日にザインエレクトロニクス<6769>、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>(PSS)などが決算発表を予定している。ポートの前期業績は第3四半期まで順調に推移しており、通期の着地が期待されるか。PSSは新型コロナ対応を巡り直近賑わう場面があったが、改めて業績動向が注目されるだろう。

IPO関連では、ロコガイド<4497>(6月24日、マザーズ)、フィーチャ<4052>(6月24日、マザーズ)、コマースOneHD<4496>(6月26日、マザーズ)と3社の新規上場が発表されている。4月6日上場の松屋アールアンドディ<7317>以来のIPOであり、今後の動向が注目されそうだ。


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