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29日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で3日続落、米中対立懸念が重し

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29日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比171.29ポイント(0.74%)安の22961.47ポイントと3日続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は9.47ポイント(0.10%)高の9561.03ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1789億3700万香港ドルに拡大している(28日は1326億9900万香港ドル)。

米中対立の激化が警戒される流れ。中国で28日、香港の統制を強化する「香港版国家安全法」の制定方針が全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)で採択された。これを受けたトランプ米大統領は、中国に関して29日に記者会見すると予告している。一部報道では、「香港からの輸入品に適用している関税優遇措置の停止を検討中」などと伝わった。また、週末を迎えて香港での抗議活動激化にも懸念が高まっている。

ただ、ハンセン指数は下げ渋る場面も見られた(本土株指数は小幅高で終了)。中国の景気対策に対する期待感が根強い。李克強首相は28日、全人代閉幕後に記者会見し、新型コロナウイルス関連の景気対策が総額で6兆人民元(約90兆円)規模に達すると報告した。

ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が9.6%安で値下がり率トップ。増資計画が嫌気された。新株割当価格は28日終値の7.8%ディスカウント水準に設定されており、これにサヤ寄せする動きとなっている。このほか、HSBC(5/HK)が3.1%安、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が3.0%安、AIAグループ(1299/HK)が2.9%安と金融株の下げも目立った。

セクター別では空運が弱含む。国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が0.3%安、中国南方航空(1055/HK)が1.8%安、中国国際航空(753/HK)が1.3%安、中国東方航空(670/HK)が1.1%安で引けた。うち国泰航空を巡っては、米国による香港優遇措置(ビザ、関税関連)の廃止でマイナス影響を受けるとの懸念が強まっている。

個別では、中国生物製薬(1177/HK)が7.4%上昇。前日引け後に発表した20年1~3月期決算は実質2ケタ減益となったものの、クレディ・スイスは「最悪期は過ぎた」との見方。投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」に引き上げている。

また、家電量販大手の国美零售HD(ゴメ・リテール・ホールディング:493/HK)が5.5%高と全体相場をアウトパフォームした。同社は28日引け後、Eコマース大手の京東商城(JD/NASDAQ)との戦略提携を発表している。一方、不正会計疑惑を否定し、後場に取引を再開した天能動力国際(819/HK)は4.4%安。一時29.3%高と急騰したものの、引けにかけて売りに押された。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22%高の2852.3ポイントで取引を終えた。小売、メディア・娯楽、ホテル・観光など消費関連銘柄が買われたほか、医療機器株、交通運輸株なども上昇している。半面、建材株や金融株の一角が売られた。

亜州リサーチ(株)


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