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Jストリーム Research Memo(1):動画配信の拡大を背景に成長企業として評価

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■要約

1. 誰にでも使用できる高速で安定した動画配信システム
Jストリーム<4308>は、広く企業向けにインターネット動画配信用のソフトウェアやプラットフォームを提供している。基盤となるのが、動画配信のためのあらゆる機能を装備する「J-Stream Equipmedia」と、スムーズに配信できる自社構築したCDN(Content Delivery Network)である。こうした配信システムを導入すれば、誰にでも動画を容易に制作できる上、どのようなデバイスにもどのような環境下でも高速で安定した配信を行うことができ、大量のアクセスにも対応可能である。同社の特徴は、専業として長年蓄積してきたノウハウ、高度なセキュリティと安定した配信、ワンストップサポートやカスタマイズにある。このため同社は、国内のオンライン動画配信システム市場でシェアNo.1(2015年1月(株)デジタルインファクト調査)というポジションを誇っている。

2. 主力の配信事業のほか制作・システム開発事業などを展開
同社の事業は配信事業、制作・システム開発事業、その他の事業の3つで構成されている。主力の配信事業では「J-Stream Equipmedia」とCDNを中心に動画配信システムを販売、セキュリティなど動画配信に付随するサービスを提供している。また、こうしたサービスを顧客に適した形にカスタマイズすることで、医薬系企業や一般企業にはセミナーや社内教育、情報共有等の様々な動画を必要なときに必要なだけ配信できるサービスを、放送局や各種コンテンツプロバイダには局やコンテンツプロバイダならではのニーズに適した様々な配信サービスのサポートをすることができる。制作・システム開発事業では、企画から現場対応、運用までの動画制作をトータルプロデュースしており、企画力・現場対応力が差別化のポイントとなっている。その他の事業では、多チャンネル事業者向けにエンコード設備の設計・構築・販売・運用などを行っている。

3.放送同時配信や用途特化型サービスはチャンス
Wi-Fi環境の充実や5G時代の到来などを背景にインターネット動画配信市場が大きく伸びると予測されている。なかでも放送同時配信や一般企業の動画活用ニーズに最適化された用途特化型サービスの成長が見込まれており、いずれも同社にとってビジネスチャンスとなっている。Netflix(ネットフリックス)などにコンテンツが集約されつつある現状に対し、同社は、コンテンツホルダーである放送局が独自の配信サービスを構築し、コンテンツホルダーとして効果・効率的なマネタイズを可能なものにするため、放送同時配信をサポートしている。また、高機能化を進めている「J-Stream Equipmedia」と有力SaaS(Software as a Service:必要な機能を必要な分だけ利用できるソフトウェアサービス)のプラットフォームの連携を検討しており、一般企業の利便性はさらに高まることが予想される。なかでも医薬業界が課題としている主に医療従事者を対象としたプロモーションの効率化については、積極的に支援していく考えである。


4. 2021年3月期も増収増益が期待される成長企業
2020年3月期は売上高8,442百万円(前期比24.5%増)、営業利益547百万円(同74.7%増)と業績好調だった。医薬系業界のライブ配信、放送系の大口案件の活発化に加え、(株)ビッグエムズワイの子会社化も寄与し、期初予想を大きく上回る着地となった。2021年3月期について同社は、新型コロナウイルスの影響による経済の不透明感を理由に業績見通しを未定とした。しかし、動画配信へのニーズは中長期的なトレンドであり、同社にはその追い風が吹いている。しかも足元では、新型コロナウイルス対策の「3密」回避の動きの中で動画配信へのニーズが一層強まっている。このため、2021年3月期業績は引き続き増収増益が期待され、コロナ後は中長期成長企業としての評価が高まっていくことが予想される。

■Key Points
・強みは「J-Stream Equipmedia」と自社構築のCDN
・動画配信の拡大を背景に成長企業の評価向上に期待
・足元新型コロナ「3密」回避による動画配信に追い風

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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