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プロネクサス Research Memo(2):21年3月期は新型コロナウイルスの影響で未定、中期経営計画も一旦取り下げ

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■決算動向

1. 2020年3月期決算の実績
2020年5月14日に公表したプロネクサス<7893>の2020年3月期決算は、売上高が前期比5.6%増の24,446百万円、営業利益は同2.9%増の2,571百万円、経常利益で同2.0%減の2,717百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.8%減の1,816百万円となった。

同社側では、当初目標値として営業利益率を10.8%、ROEを8.2%に設定していたものの、営業利益率は10.5%と前期実績と目標値の10.8%を下回る結果となる一方、ROEについては目標値と同じ8.2%となりながらも、前期の9.1%より低下した。

事業別では、稼ぎ頭である上場会社ディスクロージャー関連が、招集通知のカラー化の進展で受注増となり、さらに、システムサービスやアウトソーシングサービスも拡大。開示書類データのXBRL対象範囲の拡大による売上増が寄与している。IPOやファイナンス関連は受注・単価ともに低下しながらも、全体としては堅調に推移し、同事業の売上高は、前期比4.4%増の10,286百万円となった。

上場会社IR関連等は、Webサービス、株主総会ビジュアル化サービスなどが好調に推移。レインボー・ジャパンを子会社化した効果もあり、前期比10.6%増の6,136百万円と上伸した。なお、英文IRサービスの通常案件に関しては受注は順調に拡大している。

他方、金融商品ディスクロージャー関連は、国内投信の設定数減速に伴い目論見書等の主要製品受注が停滞、J-REIT市場関連の受注もダウン。各種販促ツールや金融機関のディスクロージャー誌などの寄与があったものの、同1.6%減の6,919百万円と減少した。

データベース関連は、既存顧客の契約更新、新規顧客の受注獲得のほか、2018年11月1日に連結子会社化した(株)アイ・エヌ情報センターが寄与し、同51.4%増の1,102百万円と2期連続の大幅増収となった。

同社は、従来型の開示業務にとどまらず、システムサービスの拡張やIR支援の提案などビジネスの幅を広げることで1社当たりの受注単価をアップさせるように展開しているが、一方では、同業他社との競争激化の影響を受けており、バッティングしない付加価値の高い分野に注力することが今後のポイントになる。

2. 2021年3月期の業績予想
2021年3月期の業績予想については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞により、主要顧客である事業会社や投資信託の動向などが不透明なことから、売上高、利益ともに未定としている。それに伴い、2022年3月期を最終年度とする「新中期経営計画2021」の業績目標を取り下げた。

中期経営計画では、最終年度に売上高25,000百万円、営業利益2,650百万円、経常利益2,750百万円、親会社に帰属する当期純利益1,900百万円を目標として掲げていたが、取り下げは2021年3月期が見通せないための措置。市場動向を見極めながら、業績予想の算定が可能になった時点で改めて開示するとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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