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8日の香港市場概況:ハンセン0.03%高で6日続伸、保険セクターが相場を下支え

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週明け8日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比6.36ポイント(0.03%)高の24776.77ポイントと小幅ながら6日続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は57.37ポイント(0.57%)安の10008.88ポイントと7日ぶりに反落した。売買代金は1292億9300万香港ドルとなっている(5日は1348億6600万香港ドル)。

米雇用統計の改善で、先週末の米株が大幅上昇した流れを継いだ。5月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が予想に反して増加し、失業率は13.3%と前月(14.7%)から改善している(予想は19%に上昇)。本土マネーの流出懸念もやや後退した。中国人民銀行(中央銀行)は8日、人民元レートの対米ドル基準値を6日連続で元高方向に設定。上海外国為替市場では元高が一段と進んでいる。

ただ、上値は重い。指数は足元の上昇ピッチが速く、本土株指数は約3カ月ぶりの高値水準に達していただけに、戻り待ちの売り圧力も意識された。また、週末7日に公表された5月・中国貿易統計のマイナス面もクローズアップされる。輸出は1.4%増(市場予想3.2%減)に上振れたものの、輸入が12.7%減(同3.8%減)と予想以上に落ち込んだ。輸入低迷が内需の弱さを印象付けている。ハンセン指数は徐々に上げ幅を削った(本土株指数はマイナス転換)。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港大手行の恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が3.4%高、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が3.3%高、石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.1%高と上げが目立った。中国海洋石油については、原油高が材料視されている。主要産油国が協調減産を延長することで合意したことを手がかりに、時間外取引のWTI原油先物は一時約3カ月ぶりに節目の40米ドルを回復した。

セクター別では、本土系の保険が高い。上記した中国人寿保険のほか、中国太平洋保険集団(2601/HK)が4.0%、中国太平保険HD(966/HK)が2.7%、新華人寿保険(1336/HK)が2.1%、中国人民財産保険(PICC:2328/HK)が1.58%ずつ上昇した。

中国自動車セクターは物色される。広州汽車集団(2238/HK)が2.9%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.2%高、吉利汽車HD(175/HK)が1.7%高、北京汽車(1958/HK)が1.7%高と上昇した。吉利汽車が報告した5月の月次統計では、新車販売台数が2カ月連続でプラス成長だったことが明らかにされる。セクター全体の買い材料となった。

半面、消費関連セクターは安い。紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)が3.4%安、即席麺・飲料大手の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.9%、百貨店チェーン中国大手の百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が2.8%、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が2.2%、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)と中国スポーツ用品大手の李寧(リーニン:2331/HK)がそろって1.5%ずつ下落した。

他の個別株動向では、携帯端末OEMメーカー大手の富智康集団(2038/HK)が3.2%安と続落。は5日引け後、2020年1~4月に7510万米ドル(約82億円)の赤字を計上したと報告した。

一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.24%高の2937.77ポイントで取引を終えた。保険株が高い。運輸株、自動車株、石油株、非鉄株、不動産株、発電株なども買われた。半面、消費関連株は安い。医薬品株、ハイテク株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)



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