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やはり底堅さ発揮もFOMCには注目

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[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23115.22;+24.19
TOPIX;1627.35;-1.08

[後場の投資戦略]

 欧米株安を受けて3ケタの下落で始まった本日の日経平均だが、その後プラス圏に浮上して前場を折り返している。朝方は東京株式市場でも米国と同様、FOMCを前に持ち高調整の売りが優勢になるとの見方が多かった。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、さほど市場のムードが明るいわけではないだろうが、大方の想定以上の底堅さを見せている。前日の当欄で解説した「海外投資家の買い戻し余地の大きさ」が市場に浸透しつつあるようで、押し目らしい押し目とはなっていない。日足チャート上では23000円手前に位置する5日移動平均線を下回る場面もあったが、すかさず切り返した格好だ。

 売買代金上位では、FOMCを前に米長期金利が反落傾向にあるため、メガバンク株が軟調。対してグロース(成長)色の強い半導体関連株は切り返している。業種別騰落率はやや方向感に乏しいが、商品関連セクターが下落率上位に顔を出している。

 新興市場ではマザーズ指数が4日続伸し、連日で年初来高値を更新。前日のバイオ関連株に代わり、本日はIT・インターネット関連株が買われており、循環物色の流れが継続だ。FOMC前の金利水準の低下は追い風か。コロナ再拡大の懸念がくすぶることも「ウィズコロナ」「アフターコロナ」を睨んだ物色を活発にさせているとみられる。

 アジア株式市場は総じて小動き。前引けの東証株価指数(TOPIX)は0.07%の下落で、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは実施されないと考えられる。さすがにFOMCを控え積極的に上値を追う動きは期待しづらく、後場の日経平均は前日終値を挟みもみ合う展開になるとみておきたい。

 さて、直近で金利水準が上昇してきていることもあり、今回のFOMCの注目度は高いように見受けられる。政策金利の誘導目標など金融政策の大きな変更は予想されていないが、「イールドカーブ・コントロール(YCC)」導入を巡る議論、資産購入プログラムの変更有無、経済・金利見通し(ドットチャート)など金融市場に大きな影響を与えうる要因は多くある。株式市場から見ても、つまるところ、空前の金融緩和という「居心地のいい環境」がどの程度の期間続きそうかという点は大きな関心事である。

 前日に少々示唆したが、「ラリー形成」で負けを取り戻したい投資家の動きがナスダック総合指数の高値更新などから窺える。しかし、米金融政策の方向感は見極めておく必要があるだろう。
(小林大純)
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