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FRB議長の会見受けリスク選好がやや後退

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[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22882.28;-242.67
TOPIX;1610.73;-13.98

[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は2日ぶりに反落。前引け段階では5月14日の300円超と久々に大きな下げ幅となった。2022年末までのゼロ金利政策の維持が決まった安心感が先行して発表後にはダウ平均は一時上昇した。ただ、FOMC声明文はほぼ市場の予想通りの内容であったことに加え、FOMC後の会見で、パウエルFRB議長が雇用の回復に時間がかかると強調したことなどを受け、米国市場ではリスク選好にやや慎重になる動きが広がり、株価の押し下げ要因となった。株式市場はここ最近の株価急騰局面で、悪い経済統計は見て見ぬふり、という姿勢で臨んできた。しかし市場は今後、雇用関連の統計をはじめ、経済統計に目配りせざるを得なくなりそうだ。

 一昨日9日の米国市場では4月JOLT求人件数が2014年来で最小を記録したことが株価下落要因の一つとなり、昨日10日の東京市場では4月の機械受注統計が民間予測を下回る内容だったことが株価の重しとなった。また、前述したように、今朝の取引開始前に発表された法人企業景気予測調査の大幅な悪化も前場の東京市場での株価下押し要因になったもようだ。すでに悪い経済統計が市場に弱冠ながら影響し始めており、市場センチメントも強気一辺倒とは行かなくなってきたようすが窺える。

 ただ、大勢としては、弱気に傾く場面ではないだろう。踏み上げられてようやく買い戻しを強めてきた海外投資家は、累計ベースではまだまだ大幅なネットショートにあり、下値では買い遅れてきた投資家による押し目買いが入る良好な需給環境に変化はないとみるからだ。そのため、目先、上値が重い一方で、下値も総じて底堅い動きとなるだろう。

 さて、明日のメジャーSQを控え、売り買いとも積極的には仕掛けにくい地合いのなか、後場の日経平均はマイナス圏での往来相場となりそうだ。一方、前場にプラス圏に浮上した新興市場は引き続き底堅く推移すると予想する。東京市場では市場心理に揺れが生じ始めている状況の中、東証1部の主力株は積極的に物色しにくい。後場も新興市場のバイオ株やIT株など、景気ディフェンシブ色の強い銘柄に関心が向きそうだ。
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