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TDCソフト Research Memo(6):保険業、クレジット業向け大型システム開発案件が堅調

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■TDCソフト<4687>の業績動向

2. 事業分野別の業績
(1) 金融ITソリューション分野
主力の金融ITソリューション分野の売上高は、前期比7.3%増の15,405百万円となり、売上構成比は55.4%と前期(54.0%)から1.4ポイント上昇。銀行業、保険業、クレジット業など金融業向けに業務アプリケーション開発の提供を行っており、銀行業向けの大型案件が収束する一方、これを上回る形で保険業及びクレジット業向けの大型システム開発案件が堅調に推移している。

(2) 公共法人ITソリューション分野
公共法人ITソリューション分野の売上高は、前期比3.4%増の6,295百万円となり、売上構成比は22.6%と前期(22.9%)から0.3ポイント低下。流通業、製造業、サービス業や公共向けに業務アプリケーション開発の提供を行っており、流通業(物流)向けの開発案件等が堅調に推移している。

(3) インフラ・ネットワークソリューション分野
インフラ・ネットワークソリューション分野の売上高は、前期比5.6%減の3,572百万円となり、売上構成比は12.9%と前期(14.2%)から1.3ポイント低下。ITインフラの環境設計、構築、運用支援、ネットワーク製品開発、ネットワークインテグレーション等の提供を行っており、製造業向けのITインフラ構築案件が堅調に推移したが、官公庁や銀行業向け案件が減少した。

(4) パッケージソリューション分野
パッケージソリューション分野の売上高は、前期比6.8%増の2,521百万円となり、売上構成比は9.1%と前期(8.9%)から0.2ポイント上昇している。事業分野別のシェアとしては小さいが、金融ITソリューションに次ぐ成長率となった。自社開発のクラウドアプリケーションやPaaS型クラウドサービス「Trustpro」の提供、BI/DWH、ERP/CRMに関連するソリューションの提供を行っているが、CRM(顧客管理のためのITシステム)等のクラウド関連ソリューションが堅調に推移している。


需要予測によってSI技術者をシフトさせて業界の需要を確実に取り込む体制を構築
3. 顧客業種別の業績
顧客業種別売上高の推移では、すべての顧客業種で売上高が増加している。銀行は大手銀行等の大型システム開発が一巡した影響であり、この収束分をクレジット、保険の案件にシフトしたことにより、金融全体としては売上は伸びている。同社は需要予測によってSI技術者を金融系3業種でシフト(融通)できる体制を整えていることから、業界の需要を確実に取り込む体制ができていることが強みだろう。一方で、製造業、非製造業の伸びが見られており、特に非製造業の売上の伸びが顕著に表れている。IoT普及に伴うシステム投資拡大など、新しいトレンドに対する企業のシステム投資は活発であり、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するといった流れが同社の事業領域の拡大につながることになる。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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