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EG Research Memo(4)2拠点新設やサイバーセキュリティ事業の投資を吸収し増益を達成

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■業績動向

1. 2020年9月期第2四半期の業績
イー・ガーディアン<6050>の2020年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前期比16.2%増の3,738百万円、営業利益が同9.6%増の631百万円、経常利益が同7.7%増の646百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同9.6%増の431百万円と当初計画を上回る増収増益となった。

売上面で成長をけん引したのは、ソーシャルサポート業務。アド・プロセス業務とその他業務も増収に貢献した。ソーシャルサポート業務では、キャッシュレス決済関連の加盟店審査や不正取引の監視、シェアリングサービス関連の本人確認や不正取引の監視、エデュテック(教育のデジタル化)関連での業務代行などが伸びに貢献した。アド・プロセス業務では、インターネット広告市場の拡大に伴う人手不足が課題となっていたが、広告人材育成プロジェクトを推進し、充実した研修カリキュラムにより内部人材が育成でき、人材確保により増収につながった。サイバーセキュリティ分野においては、グレスアベイルを連結化した効果により増収となった。一方、ゲームサポート業務は前年同期比で微減となったが堅調。ゲーム市場は横ばい傾向ではあるが、中国や韓国をはじめとする海外ゲーム会社向けの多言語サポートやデバッグを提供するEGテスティングサービスと連携した「開発から運用まで」のワンストップサポート等により独自のポジションを確保している。

利益面では、売上高営業利益率で16.9%と高水準を維持。2020年4月に新宿サテライトセンター(動画サービス等、最大100名超が稼働)及び広島センター(最大100名超が稼働)を開設し、サイバーセキュリティ事業でも開発投資を行い、一時的な費用負担は大きかったが増収効果で吸収し、前年同期比10%近い営業増益を達成した。同社の過去の傾向では、新センターの開設があった時期には利益率がやや低下し、新設がなく稼働率が上がる時期に利益率が上がる。


2020年9月期通期も増収増益を予想。巣ごもり消費で追い風吹く。下期は拠点投資等一段落で収益向上の可能性あり
2. 2020年9月期通期の業績予想
2020年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.2%増の7,400百万円、営業利益が同2.9%増の1,201百万円、経常利益が同1.6%増の1,221百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の850百万円と引き続き2ケタの増収及び着実な増益を予想する。新型コロナウイルスの影響など波乱要因もあるものの、期初の予想を据え置いている。

同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。新型コロナウイルスの影響も、“巣ごもり消費”の増大という、同社の各事業にとって基本的にプラスに働いている(詳細後述)。ソーシャルサポート業務においてはeコマースや動画監視、エデュテックの進展等が追い風になっている。ゲーム業界は国内ゲーム市場が踊り場を迎えていたが、足元持ち直しの傾向にあり、進行期は期待できる。海外のゲーム市場(特にアジア)及び海外ゲーム会社はポテンシャルが大きく、フィリピンの拠点を含め受注を拡大できる余地がある。アド・プロセス業務では広告人材の不足が課題となっていたが、広告に特化した人材育成プロジェクトが奏功し、電通グループ会社との合弁会社設立により、業務量の拡大も期待される(詳細後述)。全体として、インターネットを不安やストレスなく使いたいというエンドニーズ、顧客企業の働き方改革によるBPOニーズは高まっており、総合ネットセキュリティ企業である同社の活躍の場も増えていると推察される。

通期の売上高計画に対する第2四半期進捗率は50.5%(前期実績は49.2%、前々期実績は49.6%)と例年を上回る。営業利益に関しては第2四半期進捗率が52.6%(前期は49.3%、前々期実績は50.1%)と、上期に2拠点新設やサイバーセキュリティ分野での開発投資を行っているなかでも順調。同社はこれまで拠点新設後に収益性を上げる傾向にあり、また例年下期が上期を上回る傾向にある。弊社では、大きな波乱がなければ、売上高計画の達成はもちろん、利益計画を超えてくる可能性が高いと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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