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来週の相場で注目すべき3つのポイント:日米コロナ2次感染状況、米非製造業ISM景況指数、新興市場IPO

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■株式相場見通し

予想レンジ:上限22500-下限21800円

来週の日経平均は、6月中旬から続く22000円台前半のボックス相場を継続しそうだ。6月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が480万人増と予想を上回り、労働市場の改善ペースの進展が確認された。このほか米国では、6月の消費者信頼感指数、ISM製造業景況指数と経済指標がいずれも市場が好感する結果となり、NYダウは週間ベースで上昇に転じ、ナスダック総合指数も最高値更新が継続している。新型コロナウイルス感染症のワクチン開発の進展が伝えられていることも追い風に働いている。この米国市場の強調が東京市場にも反映される形で、日経平均も堅調展開となっている。

その一方で、米国では一部の州・地域で感染が急増する中、外食などを中心に経済活動再開の停止・撤回が拡大、国内では2日、3日と新型コロナウイルス感染者が100人を超えるなど、新型コロナウイルスに関連するネガティブなニュースも出てきている。経済回復の期待とウイルス感染という強弱材料が対立する中で、相場の方向性が定まりにくく、日経平均は狭いレンジ相場の継続が見込まれる。経済指標の発表スケジュールでは、6日に米6月ISM非製造業景況指数、8日に日本の6月景気ウォッチャー調査の発表があるものの、相場の方向性を決めるだけのインパクトはなさそうだ。

一方、需給的な懸念材料としては、大手国内証券が7月上~中旬に決算日が集中するETF(上場投資信託)の分配金に絡み、先物に7000億円の売り需要が発生すると試算するレポートがある。ETF決算に相当する分配金支払い基準日は8日や10日に集中しているとされ、先物市場では波乱の芽がくすぶっている。このほか、東京都の新型コロナ感染者数の動向には一段の注意が必要だ。5日の都知事選挙の投開票を通過して、感染者増を受けた何らかの警戒・規制が発せられた場合、ネガティブ材料として働いてくる。


■為替市場見通し

来週のドル・円は下げ渋りか。米国の新型コロナウイルスの感染再拡大と経済の早期正常化を見極める展開となり、期待と警戒でドル・円の取引では売買が交錯しそうだ。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作/YCC)導入への思惑は後退しており、投機的なドル売りは抑制される可能性がある。

先週発表された米国の6月ISM製造業景況指数や6月雇用統計などは予想以上の改善を示しており、米国経済の早期回復への期待が広がっている。パウエルFRB議長も議会証言で当初の想定よりも早く持ち直すとの見方を示し、今週発表の経済指標が堅調な内容だった場合は、リスク回避的な円買いは抑制される展開が見込まれる。

一方、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が指摘しているように、ユーロ圏経済も最悪期を脱したとの観測が広がっている。短期的には、経済指標を手がかりにユーロ買いが想定される。欧州復興基金については、ミシェル欧州連合(EU)大統領(常任議長)が妥協案を今週中に公表するもよう。妥協案が評価された場合、ユーロ買いを後押しし、ドルには下押し圧力となる。

ただ、米国内では複数の州で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることや、香港統治をめぐる米中対立は深まっていることから、安全逃避的なドル買いがただちに縮小する状況ではないとの見方が多い。米国議会で香港自治法案が成立した場合、米中関係の見通しは一段と悪化すると懸念されている。これらの要因で米国株式や商品相場が大幅安となった場合、安全逃避的なドル買いがやや強まる可能性がある。


■来週の注目スケジュール

7月6日(月):独・製造業受注(5月)、米・ISM非製造業景況指数(6月)など
7月7日(火):日・家計支出(5月)、日・景気先行CI指数(5月)、Branding Engineerが東証マザーズに新規上場、独・鉱工業生産指数(5月)など
7月8日(水):日・国際収支(経常収支)(5月)、日・景気ウォッチャー調査(6月)、米・消費者信用残高(5月)など
7月9日(木):日・コア機械受注(5月)、日・工作機械受注(6月)、中・生産者物価指数(6月)など
7月10日(金):日・Speeeが東証ジャスダックに新規上場、日・決算発表:安川電機、米・生産者物価コア指数(6月)など


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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200704-00934002-fisf-market
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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200704-00934008-fisf-market
新興市場見通し:マザーズ調整入りで需給睨みのスタンス、好調IPOは2社予定(7/4)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200704-00933001-fisf-bus_all
国内外の注目経済指標:6月米ISM非製造業景況指数は50に迫る可能性も(7/4)

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