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ヒーハイスト Research Memo(4):2021年3月期以降は身軽なバランスシートに

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■業績動向

1. 2020年3月期の業績概要
ヒーハイスト<6433>の2020年3月期決算は、売上高が前期比15.7%減の2,319百万円、営業損失21百万円(前期は177百万円の利益)、経常損失25百万円(同177百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失342百万円(同111百万円の利益)となった。

設備投資額は161百万円(前期169百万円)、減価償却費は160百万円(同148百万円)であったが、主な投資は新規加工機(CNC旋盤)の導入などである。これ以外にも、諸々の修繕費が前期比で約60百万円増加し、減価償却費の増加と合わせて営業損失を計上する要因となった。

2. 品目別状況
各品目別状況は以下のようであった。

(1) 直動機器
主要顧客であるTHK向けが、第3四半期から米中貿易摩擦の影響を受け停滞し、さらに第4四半期に入り新型コロナウイルス感染症の影響で一段と減速した。半導体製造装置向けは堅調に推移したようだが、工作機械やその他精密機械向けが低調であったようだ。この結果、通期の売上高は1,241百万円(前期比23.2%減)となり、全社の売上総利益も減少した。

(2) 精密部品加工
レース用車種向けの部品が顧客の端境期であったことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で各種レースが中止または延期となり、同社への発注も低迷した。この結果、売上高は804百万円(同5.1%減)となった。

(3) ユニット製品
国内企業向けはリピート需要を中心に比較的堅調に推移したが、中国のLCDメーカー向けが失速し、売上高は273百万円(同4.3%減)となった。


自己資本比率は69.6%で財務的には安定
3. 財務状況
2020年3月期末の総資産は前期末比639百万円減の4,253百万円となった。流動資産は同350百万円減の2,277百万円となったが、主に現金及び預金の減少131百万円、売上債務の減少116百万円、たな卸資産の減少69百万円による。固定資産は同288百万円減の1,976百万円となったが、主に減損損失の計上による有形固定資産の減少364百万円、投資その他の資産の増加69百万円による。

流動負債は同403百万円減の734百万円となったが、主に支払債務の減少333百万円による。固定負債は同176百万円増の557百万円となったが、社債の増加107百万円、長期借入金の増加54百万円による。この結果、負債合計は同227百万円減の1,291百万円となった。

純資産は親会社株主に帰属する当期純損失の計上などによる利益剰余金の減少等により同412百万円減の2,961百万円となった。その結果、2020年3月期末の自己資本比率は69.6%(前期末69.0%)となった。

4. キャッシュ・フローの状況
2020年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは79百万円の支出であったが、主な収入は減価償却費160百万円、減損損失355百万円、売上債権の減少160百万円、たな卸資産の減少68百万円などで、一方で主な支出は税金等調整前当期純損失381百万円、仕入債務の減少332百万円等であった。投資活動によるキャッシュ・フローは134百万円の支出であったが、主な支出は有形固定資産の取得93百万円等であった。財務活動によるキャッシュ・フローは83百万円の収入であったが、主な収入は長短借入金の増加44百万円、主な支出は配当金の支払額25百万円等であった。

この結果、期中の現金及び現金同等物は131百万円減少し、期末の現金及び現金同等物残高は819百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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