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昭和産 Research Memo(6):新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が第2四半期まで続くと想定

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■今後の見通し

1. 2021年3月期の業績予想
昭和産業<2004>の2021年3月期業績については、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が第2四半期まで続くと想定しており、売上高46億円、営業利益8億円、経常利益8億円、親会社株主に帰属する当期純利益で6億円程度の下振れ影響を織り込んでいる。これを考慮した2021年3月期業績は、売上高256,000百万円(前期比0.8%増)、営業利益8,400百万円(同4.6%減)、経常利益9,200百万円(同9.4%減)、親会社に帰属する当期純利益6,500百万円(同3.9%減)を計画している。機能性製品の拡販及び油脂製品等の価格改定を継続実施する。また、2021年3月期よりセグメントを変更しており、(1)製粉事業、(2)油脂食品事業、(3)糖質事業、(4)飼料事業、(5)その他に変更している。

2. セグメント別業績予想
(1) 製粉事業
新型コロナウイルスによる影響としては、外食、給食、レジャー施設、土産品等で消費される製品群は大幅に減少する見込みとしており、売上高12億円、営業利益3億円の下振れを想定している。これを含んでの計画として売上高は前期比0.2%増の800億円、営業利益は横ばいの28億円としている。マーケット分析力を生かした「価値提案型営業」の更なる強化のほか、より利益率の高いチャネルに注力し、マーケット分析や各種セミナー開催等の販促活動による更なるNBブランドの拡販を進める。同社はマーケティングや小麦の調達、技術サポートなどを手掛けて大ヒットしたCVS向け高級食パンなど次世代製品の開発力が強みでもある。その他、販売増に合わせた設備増強(小麦粉、プレミックス)等の施策を講じる計画である。

(2) 油脂食品事業
新型コロナウイルスによる影響としては、業務用では外食需要減退の影響を受け、特に油脂、プレミックス製品は減少する見込み。家庭用では内食需要の高まりにより、プレミックス製品の増加は継続すると見込んでいる。ただし、業務用の需要減退の影響が大きく、売上高27億円、営業利益4億円の下振れを想定している。これを含んだ計画として、売上高は前期比0.2%増の818億円、営業利益は同15.7%減の31億円を見込む。業務用においては、油脂製品の価格改定を計画しており、販売管理を徹底する。また、課題解決型提案営業を徹底し、蛋白の拡販を進める。家庭用ではプレミアムオイル(オリーブオイル)の拡売や天ぷら粉60周年に向けたPR強化といった施策を講じる計画である。

(3) 糖質事業
新型コロナウイルスによる影響としては、ビール向けの販売が減少するも、家飲みや宅配需要増に伴う工業用コーンスターチの需要増が見込まれるほか、市況に左右されない機能性製品の拡販により影響は軽微とみている。売上高は3億円の下振れを見込んでおり、営業利益への影響は0億円と軽微であると見込んでいる。これを含んだ計画は売上高が前期比2.6%増の355億円、営業利益は同23.9%増の13億円としている。他事業とシナジーが発揮できる菓子・ベーカリー市場に注力するほか、機能性製品や食品用加工でん粉などを拡販する。さらに、鹿島工場の粉末水あめの設備更新増強による拡販効果を見込む。

(4) 飼料事業
新型コロナウイルスによる影響としては、売上高4億円の下振れ、営業利益への影響は0億円と軽微であると見込んでいる。畜産物については、外食用の需要減退の影響を受け減少する見込みだが、配合飼料については、大きな影響はないとみており、これを含んだ計画は売上高が前期比1.3%増の532億円、営業利益は同7.2%増の8億円としている。施策としては、昭和鶏卵(株)の卵の販売強化と飼料拡販、高付加価値製品である人工乳やオリゴ糖飼料のアプローチによる新規獲得、顧客ニーズに合った「提案型営業」による拡販を講じる計画である。

(5) その他
従来の「倉庫事業」「不動産事業」は、2021年3月期より「その他」のセグメントとして分類されることとなった。食品メーカーでは日本最大級となる貯蔵倉庫と、広大な面積を有する工場跡地の有効利用など、強みを生かして事業を推進していく。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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