fbpx

フォーバル Research Memo(2):2020年3月期はリンクアップ連結除外の影響除くと前期比8.4%成長(2)

マネーボイス 必読の記事



■要約

3. 成長戦略
フォーバル<8275>はM&Aを活用してグループを拡大してきた。近年のM&Aのパターンは2つある。一つは「中小企業向けコンテンツ強化」のためのM&Aである。同社は「One Stopフォーバル」を標榜し、中小企業の経営改善に向けた様々なコンテンツの量と質を向上させている。直近では、カエルネットワークス(株)(システム企画・設計・構築、2020年5月)の子会社化がこのパターンであり、既存プロダクトの幅を広げるとともに、コンテンツの内製化により収益力を向上させる効果が期待される。もう一つのパターンは、「アイコンサービス潜在顧客の獲得」である。アイコンサービスを拡大するために、これまでOEM提供を積極的に行い伸ばしてきたが、M&Aも併用する。特に親和性が高いのは事務機器販売業などのBtoB顧客を持つ会社である。アイコンサービスを取り扱い始めるとその販売会社の業績は向上することが証明されており、同社にとってはリスクの少ない投資となる。直近では(株)三好商会のビジネスソリューション事業(事務機器販売、2020年4月)、(株)えすみ(オフィス家具・機器、2020年4月)の子会社化がこのパターンである。近い将来、中小企業の経営者が大量に引退し事業承継がピークを迎えることや新型コロナウイルスの影響で売却を考える経営者が増えることが想定され、今後もM&Aを活用した同社の成長から目が離せない。

4. 株主還元策
同社は、配当による株主への利益還元を重要な経営課題の1つとして認識している。配当金の決定に関しては、今後の事業計画や財務状況など、中長期的観点から内部留保と安定した成果配分、双方のバランスに配慮して配当金を決定するとしており、配当性向は公約していない。実績では、安定的な利益成長を背景に継続的な増配を続けており、配当性向は30%前後を維持してきた。2020年3月期の1株当たり配当金は年間で26円(1円増配)、配当性向61.2%となり、8期連続の増配となった。2021年3月期は、配当金26円(維持)を予想する。配当性向は未定(新型コロナウイルスの影響により業績予想が未定のため)。

■Key Points
・情報通信分野を得意とする中小・中堅企業向けコンサルタント集団。海外進出、人材・教育、環境、事業承継などにサービス拡大
・2020年3月期は、リンクアップ連結除外の影響を除くと前期比8.4%成長。営業利益・経常利益で12期連続増益
・2021年3月期の連結業績予想は現段階で未定(新型コロナウイルスの影響)
・中小企業向けコンテンツ充実とアイコンサービスの顧客獲得を目的にM&A継続。コロナ禍契機に中小企業でもテレワークやeラーニング加速へ
・2020年3月期は26円(1円増配)、8年連続の増配を実施

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


いま読まれてます

記事提供:
元記事を読む

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー