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神戸物産 Research Memo(7):2020年10月期下期も業務スーパー事業は堅調が続く見通し

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■今後の見通し

1. 2020年10月期の業績見通し
神戸物産<3038>の2020年10月期の連結業績予想は、売上高が前期比4.1%増の311,800百万円、営業利益が同5.5%増の20,300百万円、経常利益が同4.5%増の20,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.3%増の13,300百万円と期初計画を据え置いている。新型コロナウイルス感染症の収束が不透明であるためだ。

ただ、主力の業務スーパー事業については、2020年6月以降伸び率が鈍化するとは言え、期初計画の前提(既存店向け出荷額で前期比2~3%増)に対しては上回って推移する可能性が高く、通期業績も会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、第2四半期までの通期計画に対する業績進捗率は売上高で56.5%、営業利益で61.0%となっており、直近3期間の平均(売上高48.9%、営業利益49.0%)を上回っている。

(1) 業務スーパー事業
業務スーパーの新規出店に関しては通期で前期末比30店舗増の875店舗を計画している。2020年6月末で19店舗増となっている。5月以降の地域別出店状況を見ると、九州直轄エリアで3店舗、関東直轄エリアで1店舗、関西直轄エリアで1店舗、その他地方エリアで2店舗となっており、引き続き九州直轄エリアでの出店が好調に推移している。既存店の好調によりFCオーナーの投資意欲は依然旺盛であり、物件さえ見つかれば出店ペースが落ちることはないと思われる。

また、2020年5月の直轄エリアの既存店向け商品出荷額は前年同月比24.1%増と前月と比べると伸び率はやや鈍化した。緊急事態宣言が解除されたことを受け、買い溜め現象もひと段落したことが要因と見られる。このため、6月以降も伸び率は鈍化する可能性が高いが、計画の前提となっている2~3%の伸びは十分確保できると弊社では見ている。外食需要が2019年の状況に戻るまでにはしばらく時間がかかると考えられるためだ。グループ工場の能力増強や物流センターの増強によって、下期以降は商品供給力がアップするほか、5月以降は感染防止対策グッズとしてマスクや消毒用アルコールなど食品以外の商品の販売も開始している。7月にはレジ袋の有料化に合わせてエコバッグの販売も開始した。売り場の什器についても見直しを継続して進めており、販売効率の高い売り場構築にも取り組む。こうした施策によって集客力のアップと売上拡大につなげていく戦略だ。なお、キャッシュレス決済の導入店舗は全体の7割となっている。導入店舗での売上は導入前よりも伸びているため、残り3割のオーナーについても導入提案を引き続き進めていく予定にしている。

グループ会社の工場については、人手不足にも対応した自動化ラインの導入など能力増強投資を順次進めている。設備投資額はここ数年、20~30億円程度で推移してきたが、今後2~3年は50~100億円の水準が続く見通しだ。2020年10月期の主な設備投資については、主要グループ会社である秦食品で約28億円をかけ、新規自動化ラインを導入、2020年春に稼働を開始している。主力商品である冷凍品(讃岐うどん)の生産能力が約1.5倍になるほか、チルド食品(ポテトサラダ、マカロニサラダ等)やペットボトル製品(ドレッシング、焼肉のたれ等)も1.5倍程度となる見込み。また、(株)麦パン工房では2019年以降続いていた供給不足を解消するため、新たに岐阜県に約28億円をかけて新工場を建設している。2020年8月に完工予定で、2020年10月期第4四半期の稼働開始を見込んでいる。同工場の稼働によって西日本エリアの供給不足は解消されるほか、新商品の開発も進めていく予定にしている。

物流センターについては今後中部や九州、東北など物流機能の分散をはかるため、拠点の整備を順次進めていく。これらの物流機能強化により、需要期となる年末商戦ではスムーズな商品供給が可能となり、販売機会ロスを抑制する。

(2) 神戸クック事業
神戸クック事業は、期初計画で2ケタ増収増益を見込んでいたが、計画を下回る可能性が高い。外食事業となる「神戸クック・ワールドビュッフェ」が新型コロナウイルス感染症の影響で、閉店する店舗が出てきたためだ。店舗数については当初計画で前期末比4店舗増の26店舗を見込んでいたが、5月に九州エリアで1店舗を開店したものの、6月に中国エリアの4店舗が閉店となり、6月末時点で20店舗となっており、2020年10月期中の新規出店予定もない。また、既存店舗でも富山県、岐阜県、静岡県の3店舗については6月下旬時点で臨時休業を続けている状況にある。感染者数が少ない地域の店舗では、客数も回復しているようだが、全体で見ると客数の減少による収益の悪化は避けられない状況だ。FC展開のため固定費負担は掛からないものの、食材の出荷額減少が減収減益要因となる。

一方、惣菜事業については引き続き「馳走菜」が好調に推移する見通し。「Green's K」から「馳走菜」への業態変更、並びに業務スーパーとの同時出店を進めることで、店舗数は前期末比10店舗増の20店舗を計画している。2020年6月に業務スーパーとの同時出店で1店舗オープンしたほか、7月に「Green's K」からの業態変更で1店舗増える予定で、通期計画の20店舗に達する見込みとなっており、期末までに数店舗上積みできる可能性はある。なお、「Green's K」については残り1店舗となっている。

(3) クックイノベンチャー事業
クックイノベンチャー事業に関しては、ジー・テイストが2018年6月に発表した中期経営計画の業績目標値を基本的に反映させている。2020年6月30日付でクックイノベンチャーの全株式を、クックイノベンチャー及び同社の代表取締役社長の杉本氏に譲渡したことから、連結業績には第3四半期以降は組み込まれない。

(4) エコ再生エネルギー事業
エコ再生エネルギー事業では、2020年10月期に新たな発電所の開設計画がなく、期末ベースの発電能力は前期末比で横ばいの28.25MWとなる。天候状況が前期と同様であれば売上高は若干の増収となり、営業利益は減価償却費の減少により増益が見込まれる。

なお、2020年後半に稼働を予定していた岬町プロジェクト(大阪府、10MW)については、新型コロナウイルス感染症の影響で工期が延伸しており、2021年にずれ込む見通しとなっている。そのほかのプロジェクトでは、2022年に西白河プロジェクト(福島県、17MW)、2022~2023年に東松島プロジェクト(宮城県、30MW)の建設が予定されている。当初の設備投資計画では3プロジェクト合計で約170億円、売電収入額として年間20億円程度を見込んでいたが、設備投資額に関しては太陽光パネルの価格が下落していることもあり、当初より下回る可能性が高い。また、東北エリアにおいては再生エネルギー施設の稼働が相次ぐなかで、送電網の不足が問題となってきており、状況によっては計画が延伸されることも考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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