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新興市場見通し:マザーズ決算ピークに期待再燃も、IPO好調持続だが小休止

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今週の新興市場では、マザーズ指数が日経平均などに比べ強い動きを見せ、1000pt台を回復してきた。週前半は日経平均のリバウンドとともに、マザーズ市場でも個人投資家のセンチメントが改善。週半ば以降は日経平均が弱含んだものの、米ナスダック総合指数が連日で過去最高値を更新した流れから、新興ハイテク株の買いが続いた。主力大型株の手掛けづらさもマザーズ銘柄物色につながったとみられる。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.9%であったのに対して、マザーズ指数は+8.0%、日経ジャスダック平均は+2.0%だった。

個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>が週間で17.0%高となり、マザーズ指数の上昇をけん引した。決算で日米フリマアプリ事業の流通総額増加や四半期ベースでの営業黒字化が評価された。その他時価総額上位もフリー<4478>が同12.9%高、ラクス<3923>が同8.6%高、弁護士ドットコム<6027>が同12.8%高と大きく上昇。売買代金上位では直近上場のSun Asterisk<4053>が大幅高となり、業績予想の上方修正が好感されたベガコーポレーション<3542>は週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>やAiming<3911>は売り優勢で、ミンカブ・ジ・インフォノイド<4436>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力もハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.9%高、セリア<2782>が同5.3%高と全般堅調だが、ワークマン<7564>は同0.8%安と伸び悩み。売買代金上位では出前館<2484>が大きく買われ、大幅増益決算の日本パレットプール<4690>は週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、プロルート丸光<8256>やテラ<2191>は売られ、テクノホライゾン・HD<6629>などが下落率上位に顔を出した。IPOでは、8月3日上場のモダリス<4883>が公開価格の約2.1倍となる初値を付けた。7日上場のティアンドエス<4055>は買い気配のまま初値持ち越しとなっている。

来週の新興市場では、マザーズ指数が再び上値を試す可能性もありそうだ。決算発表シーズン終盤に入り、新興市場でも主要企業を含む300社以上が発表を予定している。3連休明けかつお盆休みシーズンとなるが、決算を手掛かりとした物色は活発となりそうだ。また、国内外で新型コロナウイルスの感染拡大が続くこと、米長期金利の低下基調が続くことなどから、米ナスダック総合指数の高値更新に見られるように新興ハイテク株への期待が再燃しつつある印象も受ける

来週は、8月11日にAmazia<4424>、ワークマン、12日に日本マクドナルドHD<2702>、フリー、AI inside<4488>、13日にラクス、JMDC<4483>、そーせいグループ<4565>、メドピア<6095>、14日にChatwork<4448>、BASE<4477>、メドレー<4480>などが決算発表を予定している。企業向けSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)、EC(電子商取引)、ヘルスケア分野等での有力新興企業が多く、メルカリの決算を受けて事前の期待が一段と高まる可能性もあるだろう。

IPO関連では、ティアンドエスの初値形成を見届けたのち、8月20日のニューラルポケット<4056>上場を待つ格好となる。そのニューラルは11日まで、また25日上場のインターファクトリー<4057>は14日までブックビルディング期間となっている。
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