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ドーン Research Memo(1):20年5月期は防災や防犯関連のクラウドサービスが好調、5年連続の増収増益(1)

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■要約

ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性の要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウド型サービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」が全国の消防で採用され、人口カバー率約50%。次期主力商品として、消防・警察向けの映像通報システム「Live119」「Live110」が期待されている。

1. 主力事業・サービス
同社の近年の成長の原動力となっているのが、クラウド型サービス「NET119緊急通報システム」である。聴覚や発話に障がいのある人のためのシステムであり、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。急病やケガ、地震災害や火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、2015年12月には東京消防庁、2016年10月には大阪市消防局で稼働が開始し、全国の自治体への横展開に弾みがついている。2020年5月末現在、導入済みの消防本部の管轄人口は約6,309万人(契約済未稼働を含む)、人口カバー率は49.5%に達する。

2. 2020年5月期通期の実績
2020年5月期通期の売上高は1,050百万円(前期比17.6%増)、営業利益290百万円(同44.8%増)、経常利益294百万円(同43.2%増)、当期純利益200百万円(同28.6%増)と5年連続の増収増益となった。売上高に関しては、主力の「NET119緊急通報システム」や「DMaCS(災害情報共有サービス)」等の防災や防犯関連のクラウドサービスの初期構築に関わる売上が増加したことやストック型のサービス利用料の収入が積み上がったことが大幅増収となった。セグメント別では、すべてのセグメントで増収となった。なかでも「クラウド利用料」が前期比72百万円増の412百万円と寄与が大きかった。売上原価率は37.4%と前期比3.5ポイント低下。これは原価率の低いクラウド型サービスやライセンス販売の売上比率が高くなったためである。販管費も同12.2%増となったが、売上総利益増加の効果が上回り、営業利益は同44.8%増という大幅な増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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