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米景気の先行き不透明感など嫌気

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[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22948.86;-161.75
TOPIX;1605.67;-8.06

[後場の投資戦略]

 先週末、海外からひとつのニュースが舞い込んだ。米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイが、米銀行株への投資を減らしカナダの産金最大手バリック・ゴールド株を購入したというものだ。日本経済新聞電子版によると、5月15日発表の3月末時点では保有はゼロだったので4-6月期中に購入したとみられるという。新型コロナウイルス感染が急速に拡大した時期に購入したことになる。報道によるとバフェット氏は「金嫌い」だったそうで、違和感を持った市場関係者も多かったのではないだろうか。

 一方、日本国内の話。日本最大級の金鉱山である菱刈鉱山を保有し産金株とされる住友鉱<5713>が8月7日に21年3月期第1四半期(20年4-6月)決算を発表した。連結営業利益は前年同期比80.2%減の35.43億円。同時に発表した21年3月期連結営業利益は39.3%減の480.00億円予想。どう見ても好業績とは言えない。しかし、翌営業日の同社株は21円高の3395円で、その後は高値圏でもみ合っている。

 たしかに金価格は高騰している。しかし、目先の金価格高騰を手掛かりに、「金嫌い」のバフェット氏が銀行株を売って金鉱山に投資し、8割減益の住友鉱が年初来高値近辺で頑強な動きとなるだろうか。バフェット氏や株式市場は、多くの市場参加者が想定していないシナリオを描き始めているのではないだろうか。

 結論から言うと、インフレだ。新型コロナの経済対策としてかつてない規模のマネーが市場に投入された。米国の6月マネーストック(M2)は前年同月比22.9%増。日本経済新聞によると平時だと5-6%の伸びで、リーマン・ショック後の量的緩和期でも10%を超える伸びにとどまっていたという。マネーの供給は物価上昇を招いている。6月の米消費者物価指数は前月比で2012年以来の大幅上昇となり、7月はエネルギーと食品を除いたコア指数が29年半ぶりの大きな伸びとなった。

 日本はどうだろう。7月のマネーストック(M3)は前年同月比6.5%増で統計が始まってから最大の伸び率。6月のCPIは生鮮食品を除く総合指数で前年同月比横ばい。マネー膨張の影響は消費者物価には及んでいないが、今後注視する必要はあるだろう。金価格の高騰、著名投資家の金鉱山株保有、金鉱株の高値もみ合い、マネーの膨張、ドルの下落、物価の蠢きなどなど、近い将来のインフレを示唆するシグナルが至る所で発せられている。その中で、明日は日本の7月消費者物価指数が発表される。明日の相場に影響する可能性は殆どないだろうが、これまでのように全く無視して良いということでもないかもしれない。これまで想定していなかったシナリオも頭の片隅に描いておきたい。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はマイナス圏でもみ合いとなりそうだ。前場のTOPIXは0.5%の下げとなっており、日銀によるETF買入れの思惑が働きやすい。一方、下値支持線として意識される25日移動平均線は22700円どころにあり、依然やや乖離がある。また、上海はじめアジアの株価も下げており、東京市場の足かせとなりそうだ。
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