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米クオリティ株急落でバリュー株へのシフトに

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 4日の日本株市場は売り一巡後の底堅さを見極める展開になりそうだ。3日の米国市場はNYダウが807ドル安と大幅に下落した他、ナスダックも急落となった。8月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことが嫌気されたほか、これまで相場のけん引役であったハイテク株に幅広く売りが広がり、引けにかけて下げ幅を拡大させている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比375円安の23095円。円相場は1ドル106円10銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり、23000円での攻防になりそうである。アップルなどクオリティ株が軒並み大きく下げていることもあり、国内においてもハイテクセクター等への売り圧力が強まりそうである。ただし、足元ではバフェット氏の大手商社株取得に伴うバリュー志向が意識されていたこともあり、クオリティ株に対する利益確定の流れなどは想定されていたところでもある。S&P先物へのヘッジニーズのほか、ここにきてVIX指数の上昇も不安視されていたため、波乱の展開になりづらいところ。

 また、米国では新型コロナウイルスのワクチン投与にあたり各州・地域の政府に対して11月1日までに準備するよう通達したことが伝わっており、これがこれまで相場をけん引していたクオリティ株への利益確定に向かわせ、反対にバリュー株へのシフトにもつながったと考えられる。クオリティ株に対して過熱状態であったことも一気に物色対象の切り替えにつながったようである。需給が悪化した訳ではなく、利益確定の流れによる急落といった形であり、売り一巡後は押し目狙いの意識に向かわせやすい。

 物色の流れとしてはバリュー株へのシフトが意識されやすい。ハイテク株等も調整一巡感が意識されやすい水準まで下げていた銘柄もみられているが、積極的に押し目を拾う流れにはなりづらいところ。また、活況が続く新興市場であるが、昨日においても直近IPO銘柄には利益確定の流れが目立ち、足元ピーク感が意識される状況であった。利食いに押されやすいだろうが、中小型株については過熱想定の中でこれまで上昇していたこともあり、資金回転は効いている。大きく下げる局面においては押し目を狙う動きも出てきそうである。
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