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為替週間見通し:底堅い値動きか、対欧州通貨でのドル買いが支援材料に

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【今週の概況】
■米低金利政策の長期化を意識して円買い強まる

今週のドル・円は軟調推移。9月15−16日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、政策金利(FF金利)の誘導目標を0.00−0.25%に据え置くことが賛成多数で決定された。早期追加緩和の思惑は後退したものの、現行の政策金利は2023年末まで維持される可能性があることから、リスク回避的なドル売り・円買いが次第に優勢となった。

18日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時104円28銭まで下落した。米商務省が「ティックトック」と「ウィーチャット」の米国内でのダウンロードを20日から禁止し、米国での事業売却がまとまらない場合、11月12日に営業停止になると発表したことから、米中関係の悪化を懸念して米国株式は続落し、リスク回避のドル売り・円買いが活発となった。ドル・円は104円57銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:104円27銭−106円18銭。

【来週の見通し】
■底堅い値動きか、対欧州通貨でのドル買いが支援材料に

来週のドル・円は、底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は15-16日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、政策金利の据え置きを決定し、新型コロナウイルス感染の打撃を抑えるため、2023年末までは現行の政策金利である0.00−0.25%(実質ゼロ金利)を維持するスタンスを示している。FOMCでの議論はほぼ市場観測に沿った内容だったことから、目先的にドル売り圧力は多少弱まると予想される。ユーロ、ポンドに対するドル買いが大幅に縮小する可能性は低いとの見方もドル・円相場を下支えする見通し。米国株式の先高観は消えていないこともドル買い材料となりそうだ。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は「ECBは中期的なインフレ見通しへの影響という点で、為替相場の動向を含め、入ってくる情報を注意深く検証する」と述べたが、ユーロ高について特に言及しなかった。しかしながら、ユーロ高は物価動向に一定の影響を及ぼすことは否定できないため、投機的なユーロ買い・米ドル売りはやや抑制されそうだ。また、英中央銀行は金融政策委員会(MPC)でマイナス金利について議論しており、英国と欧州連合(EU)との通商協議の行方は不透明であることから、リスク回避的なポンド売り・米ドル買いは継続するとの見方が多い。ユーロ、ポンドに対するドル買いが継続した場合、ドル・円相場にもある程度の影響を及ぼすとみられ、ドル安・円高の進行を抑える一因となり得る。

【米・マークイット9月製造業・サービス業PMI】(9月23日発表予定)
23日発表の9月マークイット製造業・サービス業PMIは改善が続くか、注目される。8月は製造業、サービス業がいずれも経済活動の拡大を意味する50を上回る堅調な内容となり、早期回復への期待は持続している。

【米・8月耐久財受注】(9月25日発表予定)
25日発表の米8月耐久財受注は前月比+1.0%と、全体の受注額の伸びは前回実績の+11.4%を大幅に下回る見込み。市場予想を下回った場合、ドル買いを弱める一因となりそうだ。

予想レンジ:103円50銭−106円50銭


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