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NYの視点:米FRB議長と財務長官は追加経済救済策の必要性を訴えるも早期成立の可能性は遠のく

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パウエル米FRB議長とムニューシン米財務長官は下院住宅サービス委の証言で、回復は予想を上回るが、危機前の水準を下回っているため追加経済救済策が依然必要という点で一致した。パウエル議長は景気の軌道が「不透明」で、財政策の失効により経済にマイナスの影響が出始めると警告。1100万人の失業者の復職には時間がかかると悲観的な見通しを繰り返した。ほとんどのFRBメンバーが追加経済救済策が導入されることを前提として見通しをたてていることを明らかにした。もし、追加支援がなけれは景気後退の深刻化も懸念している。

ムニューシン財務長官も「的を得た追加財政策が依然必要だ」と主張。トランプ大統領も、依然国民への直接的な現金支給を含めた追加財政策、追加PPPを支持していることを明らかにした。

■ムニューシン米財務長官
「的を得た追加財政策が依然必要」
「トランプ大統領は依然現金支給を含めた追加財政策、追加PPPを支持」

■パウエルFRB議長
「多くの経済の良好な結果は財政支援が奏功した結果だ」
「景気の軌道は不透明」
「財政策の失効により、経済もマイナスの影響が出始める」
「更なる財政支援が必要となる可能性が強い」
「ほとんどのFRBメンバーが追加財政策が導入されることを見込んでいる」
「1100万人の失業者の復職には時間がかかる」

追加財政策が必至とするムニューシン米財務長官やパウエルFRB議長に反し、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は、「V字型回復は財政救済策によるものだとは思わない」とし、必ずしも追加措置が必要ではないとの考えを示した。「多くの経済の良好な結果は財政支援が奏功した結果だ」としているパウエル議長の見解とは対称的。

追加経済救済策はいずれ成立する可能性はある。しかし、先週後半に死去した米連邦最高裁のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の後任指名を巡り、民主・共和党の対立が一段と深刻化しており歩み寄りは現状で困難な状況と見られる。このため、選挙前に合意する可能性が一段と遠のいた。今後の経済の回復ペースや金融市場に影響を与える可能性は懸念される。




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