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海外株安が重しに

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[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;23214.49;-132.00
TOPIX;1635.46;-8.79

[後場の投資戦略]

 ここにきて株式市場がやや不安定になっている。少し振り返ると、先週16日のFOMCで、2023年末までは実質ゼロ金利を維持するスタンスが示され、株式市場で一定の安心感となる一方、翌日の日銀金融政策決定会合を含め日米ともに追加緩和の期待がやや後退した。このあたりから市場の揺れがやや大きくなっている。今回は、本質的な株価決定要因をごく簡単に考え、今後の株価動向を占ってみたい。

 株価決定要因は無数にあるが、最も本質的な要因は金利と景気だろう。「株価=景気/金利」という関数だ。きわめて簡単で、右辺の分子の景気が大きくなる(景気が良くなる)と左辺の株価が大きくなる(株が上がる)。逆に、景気が小さくなる(景気が悪くなる)と株価は小さくなる(株が下がる)。一方、右辺の分母の金利が小さくなる(金利が下がる)と左辺の株価が大きくなる(株が上がる)が、金利が大きくなる(金利が上がる)と株価が小さくなる(株が下がる)。分子の景気は企業業績と読み替えても良いし、現状、分母は金融政策に置き替えられる。

 上述のように、FOMCや日銀金融政策決定会合では、金融緩和が長きにわたって続く方向が示された一方、市場では追加緩和への期待がやや後退しつつあるとの見方もある。上記関数に当てはめると、右辺の分母は小さい状態が続くが、さらに小さくなることが疑問視され始めたということだ。では今後、株価が上昇を続けるには何が必要か。分子の景気が大きくなることだ。このことに関しては少し長くなるので、この先は次の機会に考えることにするが、まずは「株価=景気/金利」という最も基本的な式を頭に入れておきたい。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。前場のTOPIXが0.53%の下落となっており、日銀によるETF買入れの思惑が働く可能性がある。また、引き続き9月末の配当取りの動きが指摘されており、下げた場面では押し目買いが入りそうだ。さらに、昨日、受け渡しが完了したソフトバンク<9434>が前場で下げているが、売出し価格(1204.50円)を上回って推移していることも安心感となりそうだ。一方、今日午前はダウ平均先物が方向感の定まらない動きとなったことに加え、上海総合指数や香港ハンセン指数が下げていることなどが、後場の東京市場の重しとなる可能性もある。
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