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米国株式市場見通し:大統領選初討論会や雇用統計に注目

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季節的にも地合いが弱く戻り売りが継続することが予想される中、大統領候補による初の討論会や追加経済救済策の行方に注目したい。規制強化、法人税やキャピタルゲイン税の引き上げを政策で掲げている民主党のバイデン氏が優勢となった場合、株式相場の売り材料になるだろう。規制緩和の拡大や給与税税率引き下げなどを掲げているトランプ大統領の再選確率が高まると、相場を支えるとの見方が一般的だ。

今年は特に新型コロナの影響で郵便投票の割合が各州で高まる見込みで、過去にも不正が横行した経緯があるほか、集計にかなりの時間を要し結果判明がかなり遅れる可能性も指摘されている。トランプ大統領は結果によっては法廷闘争も辞さない方針を表明し、速やかな政権移行に不安も広がっている。また、大統領は、来週連邦最高裁ギンズバーグ判事の後任を指名する予定だ。

今のところ追加経済救済策が合意に達する兆しはない。果たして選挙前に追加財政策協議の進展が見られるかが焦点になるだろう。追加策の見送りを前提にエコノミストは10-12月期の成長見通しをすでに引き下げており、追加策の行方が今後の経済の回復ペースや金融市場に影響を与えることになるだろう。ムニューシン財務長官が議会証言でペロシ下院議長との交渉再開の意向を明らかにしたほか、下院議長も中小企業や航空会社支援を含む案に取り組み、来週にも下院採決を目指すとの報道もあり、交渉が進展すれば株式相場にとってプラス材料になる。

政府の失業保険補助や中小企業救済策が失効後の労働市場の状況を9月雇用統計で判断したい。アナリストは失業率で8.2%へ低下、非農業雇用者数で86.5万人増を予想している。雇用統計よりも労働状況を正確にあらわしているとして注目される週次失業保険申請者数は依然高水準だ。パウエル議長は依然1100万人が失業しており回復にはかなりの時間がかかると悲観的な見通しを示している。ボストン連銀のローゼングレン総裁は、限度のある量的緩和(QE)とゼロ金利で今後4年間でインフレ2%が達成できれば「運が良い」と、かなり悲観的だ。景気、インフレ回復には金融支援策に加えて財政支援が必至となっている。

経済指標では、9月ダラス連銀製造業活動(28日)、8月卸売在庫、7月S&P住宅価格指数、9月消費者信頼感指数(29日)、9月ADP雇用統計、4−6月期GDP確定値、9月シカゴPMI、8月中古住宅販売仮契約指数(30日)、新規失業保険申請件数、8月PCEコアデフレーター、個人所得・支出、9月ISM製造業景況指数(10月1日)、9月雇用統計、9月ミシガン大消費者信頼感指数(2日)が予定されている。

企業決算では半導体のマイクロン(29日)、飲料メーカーのペプシコ、アルコール飲料会社のコンステレーションブランズ、加工食品メーカーのコナグラブランズ、小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(10月1日)が予定されている。オンライン販売の伸びや経済活動の再開に伴う店舗営業の再開も手伝い小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンドの決算に注目したい。売上の安定や、組織改革の本格化を理由にした金融機関の投資判断引き上げも目立っている。

(Horiko Capital Management LLC)


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