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来年以降の経済回復を想定した景気敏感株への物色

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 17日の日本株市場は堅調な展開が見込まれる。16日の米国市場ではNYダウが470ドル高となり、節目の3万ドルに接近している。バイオ製薬のモデルナは開発中の新型コロナウイルスワクチンの大規模な第3治験で94.5%の有効性が確認されたとの暫定分析結果を発表。新型コロナウイルスの来年に向けたワクチン実用化が現実味を帯びてきたことが材料視されている。また、バイデン氏が議会は速やかにパンデミック経済救済策を成立させる必要があると主張したことも後押した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比185円高の26175円。円相場は1ドル104円60銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行の展開になりそうだ。インデックスに絡んだ売買によって指数が押し上げられる格好になりやすいだろう。前日の強い上昇で週明けの米国市場の流れはある程度織り込まれているとみられるが、一段の上昇によって需給状況は良好であり、海外勢による日本株比率引き上げの動きをより強めさせることになりそうだ。日経平均の26000円回復で過熱感が警戒されそうであるが、ショートポジションを積極的に積み上げてくる流れは考えづらく、短期的なショートの流れに対しては押し目狙いのスタンスになろう。

 また、新型コロナウイルス感染症の拡大が不安視されるが、米国ではワクチン開発進展によって来年以降の経済回復を想定した景気敏感株への物色に向かわせている。日本株の相対的な強い値動きによって海外勢は日本株の比率を引き上げる対応に迫られていることもあり、米国同様、景気敏感株への物色が次第に強まってくる可能性がありそうだ。JAL<9201>、ANA<9202>などには米系証券により格上げの動きも観測されており、出遅れている景気敏感株への見直しの動きが期待されよう。一方で資金シフトが明確に起こるというよりは、相対的にバリュー株志向になりやすいと考えられ、グロース株は利食いをこなしながらの上昇基調が続くことが期待される。

 新興市場の中小型株については、アンジェス<4563>に短期的な資金流入が継続している。ワクチン期待というよりは売り込まれていた銘柄に対するリバウンド狙いといった流れであろう。反対にこれまでマザーズ指数を押し上げてきていた時価総額上位の銘柄については、利食いの流れが意識されやすいところ。マザーズ指数は25日線が上値抵抗として意識されており、この抵抗線を突破してくるようであれば再び時価総額上位の銘柄に関心が集まることになろう。
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