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[相場概況]日経平均は小幅続伸、ワクチン実用化期待と高値警戒感が拮抗

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日経平均は小幅ながら続伸となった。前日の米国株式市場では、ペンス副大統領が各州知事にワクチン配布を2週間内に開始する可能性を伝えたことが明らかになったほか、追加経済対策の合意成立への期待感が高まり、終日堅調に推移。ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。こうした米株高の流れを受けながらも、これまでの日経平均は押し目という押し目を作らずに心理的な節目である27000円近くまで上昇してきていた。そのため、高値警戒感も漂うなか、朝方高く始まった後にはすぐに下げに転じる場面もみられた。しかし、ワクチン実用化による景気回復期待と各国の財政金融政策が下支えするとの楽観的な見通しは不変であり、下値では押し目買いもみられた。日経平均は、結局、終日、前日終値水準を挟んでの一進一退となった。

大引けの日経平均は前日比13.44円高の26800.98円となった。東証1部の売買高は14億2881万株、売買代金は3兆0726億円だった。セクター別では、ゴム製品、非鉄金属、海運業、証券商品先物取引業、水産・農林業などが上昇率上位に並んだ。一方、サービス業、鉱業、その他製品、情報・通信業、パルプ・紙などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は53%、対して値下がり銘柄は全体の42%であった。

TOPIXバリュー指数・グロース指数では、今日はバリュー株指数が1.01%高だったのに対してグロース株指数は0.32%の下落となり、非鉄金属や海運、輸送用機器など主にバリュー株が相対的に強い一日だった。ただ、東証1部の売買代金上位では、キーエンス<6861>やアドバンテスト<6857>、ローム<6963>、ルネサス<6723>など電気機器セクターのグロース系の銘柄でも大きく上昇するものがみられていた。

個別では、新型コロナの影響が想定以上に長期化しているとの背景から、通期営業利益を従来予想の200億円から123億円に下方修正し、一転して減益見通しとした伊藤園<2593>が窓を開けて急落。また、通期営業利益を従来予想の85億円から107億円、前期比5.6倍の水準にまで増額しながらも、足元の月次動向から織り込み済みと捉えられ、出尽くし感が先行した西松屋チェーン<7545>も朝高後にすぐに下落に転じ、一時75日線近くまで調整した。他方、光ファイバー事業の高い付加価値製品へのシフトなど選択と集中を進める経営姿勢への変化を評価して米系証券が格上げしたフジクラ<5803>、自動化や開発効率向上などの固定費効率化、現調化推進など限界利益率上昇による収益性向上を評価して国内証券が格上げしたトヨタ紡織<3116>、発行済み株式数の5.56%に当たる600万株を上限とした自社株買いを発表したミライトHD<1417>、11月月次動向でBtoB事業、LOHACO事業がともに好調だったアスクル<2678>などは大幅に上昇した。

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