
なぜ市場は梯子を外されたのか?黒田総裁は「緩和祭りの後片付け」を始めた=E氏
今回の日銀会合後、黒田総裁会見を踏まえてのメディアの論調は、おしなべて否定的なトーンが目立ちます。ノーサプライズにも関わらず、市場は「梯子を外された」のです。
今回の日銀会合後、黒田総裁会見を踏まえてのメディアの論調は、おしなべて否定的なトーンが目立ちます。ノーサプライズにも関わらず、市場は「梯子を外された」のです。
21日に日銀が出した追加緩和策は、金融緩和策が限界に達したことを露呈する結果に。また、そのことを隠そうとするあまり、矛盾に満ちた「出鱈目な金融政策」になっている。
市場は日米の金融当局の方針がどのようなものになるか、慎重姿勢で身構えていたようですが、足元、大きな波乱にはつながらないと見て、相場感は常態に戻ったようです。
先日の日銀会合で決定された、長短金利を誘導目標とする「新しい枠組み」は、市場が喜んだとおりの追加緩和か?それとも近々、失望に変わりうるものなのか?答えは明かです。
今週は、日銀会合とFOMCのある水曜日が山場です。昼ごろに日銀会合の結果が公表、翌早朝3時にFOMCがあり、3時30分からはイエレンFRB議長の定例記者会見が始まります。
本日の日経新聞に「日銀は決定会合でまとめる異次元緩和『総括的な検証』で、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針」とある。結論ありきである。
投資家にとっては喜ばしい「利上げ先送り期待による株高」は、「金利の正常化」と「準備預金の正常化」という「2つの正常化」を目指すFRBにとって歓迎すべきものではない。
日本国内のメディアはあまり指摘しないが、無理やり日本株を押し上げるGPIFや日銀の存在が、今後、日本の株式市場に大きな「重し」となってくることは間違いないだろう。
円高、物価下落に救われた個人消費。日銀の総括検証を機会に、アベノミクスも、円安や物価高を目指すことが日本経済のために本当に良いのか等、総点検する必要があります。
9月日銀会合での「総括検証」について、市場では様々な予想がされていますが、そこで注意したいのが、日銀の「客観分析」を阻害する障害が少なくとも3つ存在することです。