「安倍ポツダム知らない宣言」をテレビ各局はどう伝えたのか?

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5月20日に行われた国会の党首討論での「ポツダム宣言は詳らかに読んだことがない」という安倍首相の発言。ツイッター上などでも大変な「盛り上がり」を見せました。一方、主要メディアであるテレビ各局はどのように報じたのでしょうか? ジャーナリストの内田誠さんが各局の看板ニュース番組について調査したところ、驚くべき事実が浮かび上がりました。

テレビ各局は安倍首相の「ポツダム宣言読んでない宣言」をどう伝えたか

昨日の党首討論について各テレビ局、各紙がどのように伝えたのか、ここに今のメディアの状況を窺い知る重要なきっかけが含まれているように思います。ツイッター上で盛り上がったのは、安倍総理が共産党志位委員長との質疑の中で、日本の戦後の出発点となった歴史的な文書であるポツダム宣言についての認識を問われ、「私はまだその部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、今ここで直ちにそれに対しての論評をすることは差し控えたいと思います」と語ったことへの驚きだった。

このやりとりを伝えるか否か、この問題について吟味をするか否か、その辺にも注意しながら、昨夜のテレビニュースが党首討論をどう扱ったか、簡単に振り返りたいと思います。

ニュースゼロ(日本テレビ系)

最初は日本テレビ系の「ニュースゼロ」。番組終了間際、スポーツコーナーの後で僅か1分23秒、民主党岡田代表と維新の党・松野代表とのやりとりを簡単に紹介した。コメントはゼロ、いや、無し。

ワールド・ビジネス・サテライト(テレビ東京系)

続いてテレビ東京系の「ワールド・ビジネス・サテライト」。やはり番組の最後の方で、しかし日テレ系よりも若干長く、1分50秒ほど、やはり岡田、松野両氏とのやりとりを短く紹介。コメントは無かったが、経済中心の局、経済に特化した番組の限界というべきか。

ニュース23(TBS系)

TBS系の「ニュース23」は、番組の中程で5分、やはり安倍氏と岡田氏、松野氏とのやりとりを、毎日新聞特別編集委員、岸井成格さんの解説込みで扱った。党首討論自体ではなく、安倍総理の在任期間が祖父の岸信介元首相のそれを超えたというテーマのなかでの扱い。岸井氏の「維新が今国会での安保法制の成立に反対する姿勢を明確にしたことで政府部内に衝撃が走った」という重要なコメントがあった。

>>次ページ テレ朝とNHKとの扱いの差に愕然

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