海に入ることは健康に良い? 「海水浴」の意外なメリット

2016.08.08
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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夏真っ盛りの海水浴場では、真っ黒に日焼けした若者や子どもたちが元気いっぱい!

かつてはそんな若者だった人たちも、中高年にさしかかると「海は暑い…」「日焼けしたくない…」「疲れちゃう…」と海から遠ざかりがち。ビーチに行ったとしても、海には入らないという方も少なくありません。

しかし様々な研究で、海水浴には健康や美容に多くのメリットがあることが分かりました。
「最近、仕事で疲れぎみでやる気もダウン…」
そんなあなたこそ、海水浴に行くべきかもしれません。早速詳しくみていきましょう。

海水浴場はもとも治療施設だった

歴史を振り返ると、海水浴はもともと病気の治療や健康増進のために行われていました。

世界最古級の海水浴場が誕生したのは、18世紀のイギリス。

医師のリチャード・ラッセルが、イングランド南部のドーバー海峡に面するブライトンに海水療法療養所を開設します。海水浴をすれば健康の増進や回復ができる、とうたって人気となり、瞬く間にヨーロッパ中に広まりました。
 
日本でも、海水浴場発祥の地のひとつとされる神奈川県の大磯海水浴場を開いたのは、お医者さん。

将軍・徳川家茂、慶喜の侍医をつとめ、その後、初代・陸軍軍医総監となった松本良順(後に「順」に改名)です。
 
ただ当時の海水浴は、泳いで楽しむというより、岩の所々に差してある鉄棒につかまり、海水につかるというスタイル。

まさに、健康のための湯治のようですね。

いつもエネルギッシュに

 昔から知られていた海水浴の健康効果ですが、近年の研究によってさらに具体的に明らかになっています。 

・免疫力のアップ

冷たい水は適度なストレスとなって体の免疫システムを刺激しています。冷たい海水で泳ぐと、男性の場合は男性ホルモンのテストステロンが、女性の場合は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増えることがわかっています。
 
男性らしいパワーを維持するのにテストステロンは欠かせませんが、分泌量のピークは20代前半で、加齢と共に徐々に減少していきます。
 
一方のエストロゲンも、女性の美や若々しさを保つホルモン。海水浴をすることで、男性はより強くたくましく、女性はより若く美しくなれば、人生の質の向上にもつながりそうです。

美肌や花粉症にも

海水浴のよい影響は他にもあります。

健康で美しい肌を保つ

マグネシウムが豊富な海に浸かることで肌のハリがよくなったり、海水中の塩化カリウムなどの成分が肌を保護し、乾癬などの皮膚病の回復を早めることが判明。

子どものアレルギー性の湿疹にも効果があることが分かっています。

花粉症や血流の改善も

さらに花粉症による鼻水やむずむずを和らげたり、体全体の血行を良くしたり。海の近くに住んで頻繁に泳ぐ人は、呼吸器系のトラブルが少ないという指摘もあります。

このように海水浴のもたらすメリットは、ストレスやアレルギーに悩める現代人にとって“ウレシイこと”が多いということが徐々に明らかになっているのです。

ただ、太陽の光には注意してください。浴びすぎれば免疫力を落とすこともあり、皮膚の老化をすすめてしまいます。また、眼球結膜内側の翼状片は、潮風や紫外線に刺激されやすく、場合によっては、目の健康を損なってしまいます。

いかがでしたでしょうか。

しばらく行っていないという方も、強い紫外線や天候の変化などには十分注意して、海へ出かけてみませんか?

<参考>

A dip in the British briny? It may add years to your life!

執筆:Mocosuku編集部
監修:坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター・日本オリンピック委員会強化スタッフ)

image by: Shutterstock

 

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