なんとAmazonは「実質無料」…出鼻をくじかれてしまったNetflix

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9月2日より、世界最大級の動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」が日本でスタートしました。それに便乗するかのように、今月中にAmazonがプライム会員限定の動画見放題サービスを開始するようです。世界的エンジニアでアメリカ在住の中島聡さんのメルマガ『週刊 Life is beautiful』によると、すでにこの2つのサービスをうまく使い分けているようです。そのコツをのぞき見しちゃいましょう! 

動画配信大手Netflix、Huluを脅かすAmazon「プライム・ビデオ」

アマゾンの動画配信は、掟破りの「実質無料」(東洋経済オンライン)

ようやくNetflixが日本で動画配信をスタートすることが決まりましたが、その出鼻をくじくように、Amazon がプライムメンバー向けにプライム・ビデオを提供することを決めました。

この記事では「実質無料」という書き方をしていますが、年会費3900円支払ってAmazon プライムのメンバーになると、配送特典(お急ぎ便無料、お届け日指定無料など)に加えて、プライム・ビデオが見放題になる、というメンバー特典の拡大です。

どちらも米国では数年前からサービスを開始しており、私自身は両方のメンバーでどちらも楽しんでいます。品揃えは若干異なりますが、オリジナル・コンテンツを含めるとNetflixの方が充実しているとも言えるので、Netflix で視聴する時間の方が、3~4倍はあります。

ただし、特定の映画を見たいと思った時には、まずはNetflixで探し、なければAmazonで探します。どちらかで無料視聴が可能ならばそのまま見ますが、そうでない場合にはAmazonでレンタルという流れになります。

我が家のテレビではApple TV も繋がっているので、iTunes Movieもレンタルすることが出来ますが、Netflix→Amazon という流れで99%完結してしまうので、使うことは滅多になくなってしまいました。

米国では、DVD郵便サービス時代からのNetflixユーザーが大勢いるので、勢力図としてはNetflix が大幅にリードしながら、全体としてのパイが増える中で、Amazonが着実にシェアを伸ばしており、逆にNetflixに続く二番手だったHulu若干苦戦しており、視聴時間で計測すればすでにAmazonに抜かれていると私は見ています。

9月のiPhone 6sの発表と同時に、Appleも見放題サービスを始めるという噂がありますが、単に映画やテレビドラマを見放題にするぐらいでは、今から追いつくのは難しいと思います。私がTim Cookであれば、Walt Disneyとの関係を最大限に生かして、ESPN (ESPN は Walt Disney の子会社)のスポーツ番組(特に生中継)を見放題にする、ぐらいのことをすることにより、(Netflix や Amazon と戦うのではなく)ケーブルテレビの視聴者を本気で奪いに行くと思います。

 image by:Amazon

 

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nakajima 週刊 Life is beautiful
著者:中島聡
マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。
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