「ワタミ隠し」が奏功も別事業で大赤字。鳥貴族の失速は好機か?

 

群衆割拠の宅配市場

宅配市場は競争が激化しています。たとえば生協に勢いがあります。地域生協の宅配供給高は16年度が1兆7,730億円で、そのうち個人宅まで届ける「個配」は1兆2,268億円となっていますが、個配は近年でも年率3~5%の増加を続けています。生協は食材や日用品のほか弁当も宅配しており、弁当は全国で1日11万食以上(15年10月時点)を配送しているといいます。

コンビニ各社も宅配を強化しています。たとえば、最大手のセブン-イレブン・ジャパンは食品の宅配サービス「セブンミール」を00年から展開し、セブンミール専用の日替わり弁当などを宅配しています。18年2月期に265億円の売上高を稼ぎ出す事業に育ちました。

セブンはまた、店舗で販売する弁当やおにぎりなどの商品をスマートフォンで注文でき、最短2時間で自宅などで受け取れる「ネットコンビニ」と呼ばれるサービスを展開しています。17年10月に北海道の店舗で始めました。今後エリアを拡大していくとみられ、セブンミールとともに宅配の中心的なサービスにする考えです。

こうした大手企業に加え、日清医療食品の「食宅便」やシルバーライフの「まごころ弁当」など大小さまざまな宅配サービスが乱立しています。また、イオンが18年春に千葉市で「クバリエ」と呼ばれる定期宅配サービスを始めるなど新規で参入する企業もあります。一方で居酒屋大手モンテローザ運営の「モンテ宅食」などが市場から撤退を余儀なくされており、宅配市場での競争は激しさを増しています。こうした状況のため、ワタミが宅食事業を今後大きく伸ばすことはなかなか難しいといえそうです。

そうなるとやはり、国内外食事業をどれだけ伸ばせるかが当面の大きな課題となりそうです。18年3月期の国内外食事業売上高は483億円と8年前と比べて4割も少なくない状況ですが、逆にいえば、その分だけ回復の余地があるともいえます。

まずは和民系居酒屋の鶏居酒屋への転換を、より一層進める必要があるといえるでしょう。転換を進めた結果、和民系居酒屋は18年3月期の1年間で149店減って18年3月末時点で156店となり、ミライザカと三代目鳥メロは135店増えて225店となっています。まだまだ転換すべき店舗があり、今期は50店を転換する計画です。

鶏居酒屋を増やすことである程度の売り上げ向上が見込めるでしょう。ワタミの名が消える効果は大きくまた鶏居酒屋には勢いがあります。鶏居酒屋大手の鳥貴族はいまだに店舗数を大きく増やしています。18年7月末時点の鳥貴族の店舗数は665店で1年前からは98店増えています。鳥貴族の出店の勢いは衰えておらず、鶏居酒屋の出店余地はまだまだあるといえそうです。 

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