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中国に近づきすぎるな。3選を決めた安倍首相にお願いしたいこと

9月20日、自民党総裁選で3選を果たした安倍総理ですが、今後も継続して働きかけるべき課題には何があるのでしょうか。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、日米貿易戦争への外交対応や消費税増税のタイミングなど、慎重対応が必要な問題解決は安倍総理の得意とするところだとして、長期安定政権を引き続き目指すべきだと持論を展開しています。

3選安倍総理に望むこと

皆さんご存知のように、安倍総理の3選が決まりました。そこで今日は、「3選安倍総理に望むこと」を書きます。

外交、中国との「接近しすぎ」に気をつけてください

毎回書いていますが、私が総理を支持する最大の理由は、「外交」です。2012年、民主党政権最後の年、

というわけで、日本は、アメリカ、中国、ロシア、韓国との関係がすべて悪い。世界で、大変孤立していた。ところが今は、

おかげさまで、日本に2012年の緊張感はありません。日本国民が、平安に暮らせるのは、まさに「安倍外交」のおかげです。このまま慎重に進んでいただきたい。

しかし、一点、最近気になっていることがあります。米中貿易戦争が激化している。それで、習さんが日本に擦り寄ってきている。トランプさんは、「日本がどれだけ負担しなければならないか告げれば、シンゾーとの関係は終わる」などといっている。それで、アメリカにいじめられそうな日本も、中国に接近したくなっている。

もちろん、私自身も、日中友好には賛成です。日中関係が良好なら、中国は「尖閣を奪おう!」という気にはならないでしょう(それでも、一時も油断できませんが…)。

しかし、「順番が大事です。もし、あなたと奥さんの関係が良好なら、他の女性と仕事で会っても問題にはならないでしょう。ですが、あなたと奥さん以上に、他の女性との関係が緊密になれば、さまざまな問題が起こってきます。

日本アメリカは、「軍事同盟国」です。ですから、アメリカとの関係は、常に中国よりも重視されるべきです。ときどき、このことを忘れる総理がいます。たとえば田中角栄さん。たとえば鳩山さん。結果は、よくないです。ですから安倍総理にお願いしたいのは、

という順番を忘れないでくださいということ。

金融緩和継続と消費税再引き上げの中止

日本経済がよくなったのは、明らかに「金融緩和」のおかげ。「金融緩和」はいつ終わるのでしょうか? まだ終わらせる時期ではないですね。アメリカのように、うまくタイミングをはかりながらやってほしいと思います。

そして、消費税の再引き上げは、是非やめていただきたい(2019年10月予定)。消費税を引き上げると、当然消費が減り、経済成長が鈍化します(2013年は2%の成長。消費税が引き上げられた2014年はわずか0.38%の成長)。

それに、2020年には東京五輪があり、その後は「五輪バブル崩壊」が待っている。ですから、せめて「消費税再引き上げ」をやめ、日本経済を救ってほしいと思います。

その他には、

そうはいっても、安倍総理は、歴代の総理と比較してまともです。今は3選ですが、是非2025年まで日本を率いてほしいと思います。

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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