歪んだ現状。誰が日本を高齢者が働かざるを得ない国にしたのか

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宅配業者を始め、様々な業界で人手不足は深刻な問題です。その結果、高齢者が肉体的にも大変な仕事をしている姿を目にするようになりました。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、著者の廣田信子さん自身が体験した配送業者との事故から見えてきた、社会に潜む大きな問題点と悪循環を記しています。

75歳の配送に頼っている現実

こんにちは!廣田信子です。

昨日の記事では、荷物を受け取る側の視点で「オキッパ」の紹介をしました。でも、このしくみは、宅配の急速な増加と配送人員の不足によって、留守宅への再配達の負担が、個人への物流システムを滞らせかねないことへの危機感が生んだものだと言えます。

国土交通省によると、宅配の取り扱い個数は、2008年度の32億個から2017度は43億個に増加その2割が再配達分とされています。

配送業者の人手不足は深刻です。「ドライバー+荷物を運ぶ」という仕事は肉体的に決して楽ではありません。しかし、人手不足から、かなり高齢の方がその役割を担っています。

実は、先日、マンションの駐車場の出入り口で、配送の車に突っ込まれてしまいました。共に、スピードはほとんど出ていないので、たいしたことはないのですが…。

その経過を話すと長くなりますが、駐車場の入り口ゲートから道路に出る手前のちょっとしたスペースに、よく荷物の配送の車が止まっているのです。車の出入り口を狭めてしまうので、本当は止めてもらうと困るのですが、道路に置くと駐車違反を取られるし正式な許可をとって中に入るのは面倒なので、よく止まっています。

私が道路に出るために、そこを通過した時に、通路と直角に駐車していた配送の車がいきなり前進して横から突っ込んできたので、ほんとびっくりしました。車が急に動き出したのに驚いて見ると、運転手さんは、出たい道路の方だけを見ていて、ぶつかる直前まで、私の車にまったく気が付いていません。反対側は壁なので、私はハンドルを切ることもできず、ただブレーキをかけることしかできませんでした。

どうして、運転手さんは一方しか見ていなかったのか…ですが、運転手さんが言うには、駐車場側はチェーンゲートがあるので、駐車場側からは、車が出てくるのに時間がかかるので確認しなくてもいいという思い込みがあった…と。ところが、その日は、駐車ゲートが故障中で、チェーンが常時下がった状態だったのです。チェーンが下りていることには気が付いていたがいつもの習慣で、駐車場側を見なかった…と。

その方は、75歳だと言います。75歳というとそろそろ運転免許証の返納を考える年齢です。通常の運転だけでなく、時間を気にしながら隙間に駐車して、急いで荷物を届けて、またすぐ次に向かう…という配送の仕事を行うには、やはり少し高齢じゃないかな…と感じました。

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