目の前のお客様にご満足いただくため、ときには自分の持っている力以上のことをしてしまおうと考えてしまう方、少なくないと思います。しかし、できないことをしっかり伝えたほうがメリットを生み出す場合がある、とするのは接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』にその理由を記しています。
できないことを伝えておく
自分ができることを増やしていくというのは、とても大事なことですが、逆に、できないことをしっかり把握しておくということも大切です。なぜなら、できないことを伝えておくことで得られるメリットもあるからです。
例として、私がストレッチ店に勤めていた頃の話をしますね。そのお店は、施術者(私)がお客様の身体をストレッチするというお店です(パーソナルストレッチと言います)。まぁマッサージ屋を思い浮かべてもらうとわかりやすいと思います。
私はそのお店で売上日本一になったのですが、お客様には、必ずあることを伝えていました。それが、「リラックスさせることはできない」という旨です。「マッサージのように気持ちよくリラックスして施術を受けてもらうことはできません」ということを、お客様が初めていらっしゃったら必ずお伝えしていたのですね。ただその代わり、今お客様が辛いと感じている箇所を楽にすることはできますということをハッキリ伝えるわけです。
すると、どうしてもリラックスを求めるお客様はマッサージ屋へ行かれますが、それにより、お客様の求めるものと、こちらが提供するものとのズレがなくなるので、誰も損をしなくなるのです。むしろ、当初はリラックスを求めていたけれど、それよりも楽になりたいと思うお客様は、施術を受けてくれ、リピートしてくれていました。
リラックスしてもらうやり方もやろうと思えばいかようにでもできるのですが、それではこちらが全力で商品を提供することはできなくなってしまいます。そうなると、結果として、お客様の満足を生み出すことはできなくなってしまうのですね。