中共の差し金か。香港デモ参加者を襲撃する白Tシャツ集団の正体

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香港で大きなうねりを見せた「逃亡犯条例」改正案撤回を求めるデモですが、その参加者たちが100人以上の集団に襲撃された映像が、世界に衝撃を与えています。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、暴漢たちの背後に中国政府が存在することを疑うとともに、香港政府に然るべき対処を強く要求。さらに台湾の選挙が毎回熱を帯びる理由も併せて記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年7月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】「暴漢」に襲われる香港市民を救う台湾

台湾、香港から避難のデモ参加者に援助を表明

香港の混乱は全く終息していません。それどころか、ついに中国人による香港人襲撃がはじまったかもしれないというニュースが流れてきました。まずは、デモの参加者が保護を求めて台湾にやってきたというニュースです。以下、報道を一部引用します。

台湾紙の蘋果日報(Apple Daily)が複数の情報筋の話として報じたところによると、1日の香港議会占拠に関わったことで訴追を恐れるデモ参加者30人以上が、保護を求めて台湾入りしたという。

 

台湾の対中政策を担当する大陸委員会は19日、「人権保護と人道的懸念への配慮という原則の下」対応していく方針を発表。「政治的理由で身の安全と自由が危急にある香港市民に対しては、(われわれが)必要な援助を提供できる」と述べた。

 

蔡英文(Tsai Ing-wen)総統もこれを支持。中央通信社(Central News Agency)は、同総統が「香港の友人らは、人道的見地から適切な対応を受ける」と述べたと伝えている。

台湾側としては当然の対応です。香港では、デモ隊の一部が中国政府の出先機関『香港連絡弁公室』に卵やペンキを投げつけたり、壁に落書きをしたりしたことで、中国政府の堪忍袋の緒が切れそうです。

香港デモ、中国政府の出先機関に卵やペンキ

この行為に対して、香港連絡弁公室トップの王志民主任は反政府デモの参加者を激しく非難し、前夜の襲撃は「すべての中国人を侮辱したと発言。中国政府も、「絶対に容認できない」として、深夜になって警官隊が催涙弾などでデモ隊を排除し、負傷者が出ました。

こうした動きがある中、7月21日、デモに参加した市民が駅や電車内で突然暴漢たちに襲撃されました。暴漢たちは一様に手に棒などの武器を持ち、白いTシャツとマスクを着用しています。報道によれば、彼らは100人以上の集団で、デモ帰りの市民や報道関係者、そして偶然そこに居合わせた民主派の議員も襲われ、負傷したということです。この報道で注目したいのは、この後です。以下に引用します。

襲撃が始まってから警察の到着まで時間がかかったことや、親中派議員が現場付近で白シャツ姿の人物にねぎらいの声を掛けている映像がネット上に流れたことから、当局の関与を疑う見方が出ている。

デモ参加者襲撃、45人けが=謎の「白シャツ」集団-香港

ついに、中国政府の息のかかった暴漢が登場したのでしょうか。彼らが一様に白シャツを着ているのは、黒シャツを着て抗議しているデモ隊への敵意を示すためではないかとも、記事には書いてあります。

香港は、アヘン戦争以後イギリスに割譲されて、1997年に中国に返還されるまでの間に人口が1,000倍以上に膨れ上がりました。これは、中国からの経済難民が香港を駆け込み寺として利用したからです。

中国人にとっては、「自由」と「生命財産」を守ってくれるだけでユートピアの「王道楽土」だったのです。中国人が「香港はイギリスの『真珠』」と言ったのは、香港が金融センターだからではなく、「自由法治があったからでした。

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