安倍首相の春節祝辞に大ブーイング「多くの中国人の訪日楽しみ」

2020.01.30
by MAG2NEWS編集部 NK
20200126bura
 

安倍首相が1月24日に出した春節の祝辞で「春節に際して更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしている」と述べたことについて、批判の声があがっている。中国・湖北省の武漢市で発生した新型コロナウイルス による肺炎が問題視されるなか、すでに同ウイルスによる死亡者が出ている報道があったにもかかわらず、1月24日に発表したものだ。以下に、在中国日本国大使館の公式HPに掲載された「安倍晋三内閣総理大臣春節(旧正月)祝辞(2020年1月23日)」を転載する。

春節祝辞全文

日本で活躍されている華僑・華人の皆様、謹んで2020年の春節の御挨拶を申し上げます。

今春、桜の咲く頃に、習近平国家主席が国賓として訪日される予定です。日本と中国は、アジアや世界の平和、安定、繁栄に共に大きな責任を有しています。習主席の訪日を、日中両国がその責任を果たしていくとの意思を明確に示す機会にしたいと思います。

本年夏には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。日中両国の選手が大活躍することを心から祈念します。両国は本年を、「日中文化・スポーツ交流推進年」として、人的・文化交流を一層推進していくことで一致しています。著名なアイドルグループ「嵐」に、この推進年の親善大使を務めてもらいます。国民間の交流が、相互理解・信頼を更に深める役割を果たすことを期待しています。

春節に際して、そしてまた、オリンピック・パラリンピック等の機会を通じて、更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしています。その際、ぜひ東京以外の場所にも足を運び、その土地ならではの日本らしさを感じて頂ければ幸いです。同時に、更に多くの日本国民が中国を訪問し、中国への理解を深めて頂きたいと思います。

日中関係の発展のため、華僑・華人の皆様に、日頃から両国の間の架け橋として貢献して頂いていることに感謝申し上げると共に、新年が皆様にとり素晴らしい年となりますことを、そして皆様のお力添えのもと日中関係が更に発展することを心より祈念し、新年の御挨拶とさせて頂きます。

2020年1月
内閣総理大臣
安倍晋三

掲載されたのは1月24日

今回批判の声があがっているのは「春節に際して更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしている」といった部分。というのも、この祝辞が掲載されたのは、すでに新型コロナウイルスによる肺炎が騒がれていた1月24日だ。この時点で、新型肺炎の感染者は中国国内で883人、死者は26人にも達しており、日本国内でも2人目の発症者が出たと発表されていた日である。新型肺炎の脅威が発覚する前に作られた祝辞であり、春節というタイミングで掲載したとしても、日本国内に不安が広がる中、このような文章を掲載し続けることに異論はなかったのだろうか。この祝辞は1月30日午後1時現在、まだ掲載されている。

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