習近平国家主席の国賓待遇来日をまだ諦めきれない日本政府の愚行

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新型肺炎感染者の増加が連日報じられている日本ですが、中国全土からの渡航禁止が実施されない状況に対して疑問の声も上がっています。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、有事と言っても過言でない現在の日本の状況にあっても対中関係改善を優先する政府が「この先報われることはない」と断言し、その理由を詳しく解説しています。

日本人が決して決して決して忘れてはならないこと

日中関係が、急速に改善されています。確かに、尖閣中国漁船衝突事件があった2010年や、尖閣国有化の2012年のような「超緊張関係」よりは、いいのかなとも思えますが。とはいえ、現在の日中関係は、「異常」ともいえます。新型コロナウイルスの感染者が増えている。一番重要なのは、中国全土からの渡航を禁止することでしょう。ところが日本政府は、この当たり前のことをしない。日本政府が習近平に忖度しているからでしょう。つまり、今の日本政府は、国民の安全よりも習近平のご機嫌を最優先していることになります。それでも、長期的に報われればいいのかもしれません。しかし、日本政府の「忖度」が報われることは決してないのです。

1989年、天安門事件で中国は世界的に孤立しました。中国指導部は、どうやってこの危機を克服したのでしょうか?彼らは、「世界一ナイーブでだまされやすい日本を利用して孤立から脱却しよう」と考えた。そして、彼らは日本に接近しはじめました。1992年、天皇皇后両陛下が、訪中されました。これを見た欧米諸国は、「裏切り者の日本は、巨大な中国市場を独占するつもりだ!」と焦ります。そして、1993年から中国と欧米の関係も改善されたのです。そう、日本は、中国の苦境を救ったのです。

問題は、この後です。中国は、「利用済み」の日本を捨てました。どうしたか?1994年、江沢民政権は、国内では「反日教育」を、国外では「反日プロパガンダ」を精力的に行うようになりました。これは、「日本を米中共通の敵とすることで、アメリカが二度と中国を叩かない環境をつくる」という戦略に基づいた動きだったのです。この戦略がうまくいき、クリントン政権は熱心にジャパン・バッシングをしていました。

なぜ、中国は、これほど見事に日本をだますことができるのか?それは、中国指導部の「哲学」が「だますこと」だからです。彼らが信奉しているのは、「孔子」ではなく「孫子」です。孫子はいいます。

兵は詭道なり(戦争は、だましあいである)

つまり、戦争中は「だますこと」が「善」とされる。では、今は戦争中なのでしょうか?戦争中ではないのでしょうか?

彼らは、こう考える。「政治は、武器を使わない戦争である。戦争は、武器を使う政治である」。だから、「平時」でも「戦時」でも、彼らはいつも「戦争中」と考える。だから、「いつでもウソをつくのは善である」と考える。これ、「中国人はそうだ」といっているのではありません。「中国の指導者がそうだ」といっているのです。

天安門から30年が過ぎた。中国は、また孤立しました。それで、また同じように、日本に接近してきた。世界一ナイーブでだまされやすい日本政府は、過去の失敗に学ばず、またもや「コロリ」とだまされた。

習近平が国賓訪日すれば、「天皇陛下、是非ご訪中ください」というに決まっています。天皇陛下は立場上拒否できないので、訪中される。1980年代から1990年代の初めに起こったことが、また起ころうとしている。日本政府は、同じ失敗を繰り返そうとしている。

失敗といえば、第2次大戦時、日本はナチスドイツに接近して破滅しました。今度は、「ウイグル人100万人を強制収容」し、「現代のナチスドイツだ」と批判されている中国に接近している。また亡国の道を驀進しています。

中国指導部の「ウソ」については、話せばキリがありません。最後にこれに触れないわけにはいかないでしょう。2012年11月、中国は、ロシアと韓国に【反日統一共同戦線をつくって、日本を破滅させよう!】と提案しました。彼らは、「日本には【沖縄】の領有権はない!」【アメリカ】も反日統一共同戦線に引き入れる!」と宣言しました。卒倒物のこの話。新規読者の皆さまは、いますぐこちらの完全証拠をご一読ください。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

日本人が決して決して決して忘れてはならないこと。それは、中国指導部の【本質】です。

image by: Drop of Light / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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