「悪気がない」のが大問題。森喜朗会長と彼を擁護する人々の異常性

mo20200209
 

国内外から非難が殺到している、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言。謝罪会見での居直るような態度も火に油を注ぐ結果となり、収拾が見えない状況となってしまっています。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、マンション管理士で江東区議会議員の経験もある廣田信子さんが、こうした発言しかできぬ人間をトップに置くことを許している日本社会を強く批判。さらに当案件は、このままの対応で済むような軽い問題ではないとの厳しい態度を示しています。

失言を繰り返す人がトップにいることを容認する社会

こんにちは!廣田信子です。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の「女性が多いと理事会の会議が長くなる」発言を巡って、国内のみならず、世界からも批判の声が上がっています。

森氏の女性蔑視ととられる発言は今に始まったことではありません。2003年6月、鹿児島市内の公開討論会で少子化に言及した際、「子どもを一人もつくらない女性が、自由を謳歌して楽しんで、年取って税金で面倒見なさいというのは本当はおかしい」という趣旨の発言して、子どものいない女性を問題視するかのような暴言として批判が上がりました。結局、何となくうやむやになりましたが…。

また、2007年7月には、富山市での講演で、新幹線の新駅建設を「もったいない」とした嘉田由紀子・滋賀県知事(当時)に対して、「女の人だなあ。やっぱり(視野が)狭いなあ」などと発言しています。嘉田知事の「言葉尻をとらえて女性蔑視とすることは控えたい」、しかし、「公共事業の決定に、男だから女だからは無縁」と述べたことで一応収まりましたが…。

今回の失言で、「またか」…というのが多くの人の感想だったのではないでしょうか。

森氏が、女性蔑視的な意識の持ち主であることは、もう簡単には変わらないと思いますが、なんで、公の席でそんな発言をするのか…。そんな人、危なくて、国際的な大イベントの責任者なんて、やらせておけない…とならないのが、日本の不思議です。

何となく、「言葉尻をとるな」「根は悪い人じゃないから」などと、政界、それに近い人たちの庇う声に押されて、これまで、うやむやで済ませてきてしまった結果が、これなんだと思います。

森氏は批判を受け、4日に緊急会見を開催し、前日の「女性蔑視発言」について「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な表現。反省して撤回したい」と一応謝罪しました。

しかし、組織委員会のトップに適任ではないと追及した記者には「承っておきます」と冷笑し、発言の真意に迫ろうとする質問を「そういう話はもう聞きたくないよ。面白おかしくしたいから聞いてるんだろ?」と逆ギレしたのでした。無論、この反省したとは到底思えないこの様子も世界に打電されたのでした。

ああ~なんでこうなの。どうして、こういう発言しかできない人をトップに置かなくちゃならないの…と残念を通り超して重い気分になりました。当然、ネット上では、森氏の大会組織委員長の辞任を求める声がどんどん大きくなっています。しかし、森氏にやめてもらういのは難しい。森氏に引導を渡せる人が見当たらないからだ…と。

下村博文五輪担当相、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長、東京都の秋山俊行副知事が3者会談を行い、続行の要請を決め、森元首相が受諾した…と報じられています。

経済界の方や、国内外のスポーツ関係の方とネットワークを持っている森氏が最終的に適任ではないか…というのですが、なんで、この3者で決めるのかもよくわからないし、辞任しないことが世界にどう受け止められるのかも、まったく考えられていません。

「女性が多いと理事会の会議は長くなる」などと言われた東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事さんたち、がんばれと応援したいです。

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