無反省の愚かしさ。三浦瑠麗氏ら「原発ヨイショ」討論会への強烈な違和感

 

ちなみに、この記事で二つのことを学びました。

一つ目は、「高温ガス炉」です。高温ガス炉は、原子炉の一種ですが、冷却剤にヘリウムガスを使い、出力が「高温の熱」であり、炉心溶融事故の恐れがない点が特徴です。

1000度程度の高い熱を取り出すことが出来るので、45%以上の発電効率を得ることが出来るそうです(水を冷却剤に使う場合には30%)。さらに、この高熱を利用して水素を生成することも可能で、水素社会の実現の切り札とも見られているそうです。

万が一、何らかの理由でヘリウムガスによる冷却が出来なくなっても、炉心で発生する熱は原子炉の容器表面からの自然な放熱により除去されるため、(福島第一で起こったような)炉心溶融事故を起こさないのが最大の利点です。

「こんな素晴らしい技術があるなら、早くそっちに切り替えろよ!」と言いたくなるような話ですが、実験炉は動いているものの、実用化までにはまだ時間がかかるようです。

日本の将来のために、本当に原発が必要なのであれば、「何があろうと炉心溶融事故は起こさない原発」が必須であることは明確です。その意味では「高温ガス炉」は国民の理解を得る上で「切り札」のような存在に見えますが、この札を早く切りすぎると、(炉心溶融のリスクがある)既存の原子炉の再稼働に理解が得られなくなるというジレンマを(国や電力業界は)抱えているのだと思います。

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