JOC経理部長「自殺ではなく他殺」説のウソと本当。東京五輪の疑惑と虚構、真相は永遠の闇に?

2021.06.09
by tututu
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今月7日、東京・品川区の都営地下鉄浅草線の中延駅で、JOC(日本オリンピック委員会)の幹部が電車に伸び込み死亡した。自殺とみられている。東京五輪開催を目前に控えた時期ということもあり、日本中にその衝撃が広がった。しかし、このニュースがあまり報道されないことなどから、他殺を疑う声もあがるなど、この一件を巡りさまざまな憶測が広がっている。

なぜメディアは「JOC経理部長自殺」を報じないのか?

死亡したのはJOCで経理を担当する50代の幹部職員。遺書などは見つかっておらず、現場の状況から飛び込み自殺とみられている。男性がホームから1人で線路に飛び込む姿を駅員が目撃したという。

東京五輪の開催については以前から招致をめぐる贈収賄疑惑が取り沙汰されていた。亡くなった男性は経理部の部長という重要なポジションについており、そのキーマンと目される人物が五輪直前に自死したことになる。

新聞やテレビなどの大手メディアは一報こそ報じたものの、その後大きく取り上げるようなことはしていない。国民が関心を寄せるニュース性からすれば、もっと報じられても良いはずだが、なぜ報道しないのか。

さまざまな憶測が広がってしまうにはいくつかの理由がある。

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憶測①詳細を明かさない「JOCの不可解な対応」

JOCの山下泰裕会長は8日、都内で取材に応じ、経理部長の男性が死亡した件について詳細を把握していないとしたうえで、亡くなった原因の調査については「細かいところが分かっていない。これ以上の質問にはお答えできません」と言及しなかった。

また、「役員でもないのに実名で報道されていた」と一部メディアが実名報道に踏み切ったことに関して苦言を呈した。JOC職員の中には「実名報道は絶対に許されない」と激怒する職員もいたという。

たしかに自殺報道に関して厚生労働省から、「自殺の報道記事を目立つように配置しない」「過度に繰り返さない」などのガイドラインが発表されている。

しかし、自殺報道に関してはその公益性も考慮されるべきで、すでに米紙「ニューヨーク・デイリー・ニュース」や英紙「デイリー・メール」などでも報じられている。

海外メディアでも大きく取り上げられるようなニュースが日本国内で報道されないようなことがあってはならないだろう。

そもそも今回の事件が報道されなければ、事件ごと闇に葬られていた可能性は否定できず、報道しない自由と揶揄されても仕方ない。

こうしたことからも、「実名報道は絶対に許されない」といったJOCの主張は間違っているといわざるをえない。

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憶測②生放送の番組で突然の「ニュース差し替え」

福岡県を放送対象地域としているKBC九州朝日放送では、急遽ニュースを差し替えるという不自然な対応が行われた。

平日の朝6時20分から8時まで放送している『アサデス』の中で7日、女性アナウンサーが「東京オリンピックの直前に一体何があったのでしょうか?JOCの幹部が……」と原稿を読んでいたところ、突然「……失礼致しました。続いてのニュース、改めましてお伝えします」と語り、ゾウが車に猛突進するニュースに差し替えられた。

もともと現場ではJOC幹部が亡くなったニュースを予定していたものの、急遽テレビ局の上層部から差し替えを命じられたとみられ、圧力や忖度があったのではないかとの批判が起きている。

テレビでのニュース差し替えは過去にも起きている。

東日本大震災における原発事故のニュースを報じていたNHKのニュース番組で、「いまの原稿使っちゃいけないんだって」とスタッフの声が入り、アナウンサーが別のニュース原稿を読み上げたのだ。

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こうした前例があることからも、不自然なニュース差し替えは何かしらの圧力があったと思われてしまうのは仕方ないだろう。

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