正直な医師たちの「何とも言えない」発言で生じてしまったワクチン不安

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ファイザー製やモデルナ製のmRNAワクチンは、初めて人間に投与されるタイプのワクチンで、短期的な副反応については事実として語ることができても、数年先の影響については誰にも分からないのが現実です。分からないから不安に思うのは致し方なくても、その不安をマスコミが煽ることがあってはならないと釘を刺すのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さんです。山崎さんは、マスコミの煽りにより他の先進国ほど接種が進まなくなってしまった子宮頸がんワクチンの例を上げ、コロナワクチンへの不安が日本の中で広がり始めたことを危惧しています。

情報の隙間のこと

高齢者への新型コロナワクチン接種が少しばかり落ち着いて来て、いよいよその対象者の裾野は壮年から若者へと広がろうとしている。SNS世代は情報の受発信に実に敏感だ。悪く言えば口さがない。無責任な情報を発信しては事情通を気取り、無責任な情報を受信しては情報通を気取る。そうして広がった噂(あるいはそのようなもの)は、たまたまでも衆目を集めるようなことになれば、なかなか収拾がつくものではない。

もっとも、そういった噂の類が広まるのにもそれなりの理由はある。我々人間は隙間だらけの情報というものに堪えられないのである。気持ち悪いからである。不安だからである。そういった事情から我々は隙間を埋め始める。せっせと埋め始める。その隙間に理を詰めるならまだ上の部なのだが、大体の場合はゴミ同然のもので埋め立てられることになる。噂とは、言い換えれば、そうしてできた斑の事実なのである。

件の新型コロナワクチンで言えば、その接種により懸念される長期的薬害として今最も世間を騒がしているのが所謂「不妊問題」であろう。これに関して自分の知っている限りのことを以下に述べる。

ワクチン接種が進んでいるアメリカで、近い将来に妊娠することを計画している女性がいた。その女性はmRNAワクチン(ファイザー製やモデルナ製)という新しいタイプのワクチンが妊娠や妊婦に対して安全なのかどうかを医師に相談した。高々半年程度の知見でこのような質問に答えられる筈もないから医師は「何とも言えない。分からない」と言う他なかった。

分からないなら子供を産むまでは接種を控えるのが吉、とその女性は判断した。ところがその女性が勤務する会社はその事情を聞くや彼女を解雇したのである。理由は会社として社員の健康を守れないからということであった。これを不当解雇としてその女性は会社を相手取って訴訟を起こした。こういったことが全米の各地で起こり、ニュースとなり皆の知るところとなった訳である。

さてこの話だが、どう読んでも労働問題であろう。それが女性の人生において(もちろん父親となる男性にとっても)非常に重要な妊娠・出産という大イベントと結びついたために我が国に移入される頃には前述の如くすっかり医学的な問題へとすり替わってしまったのである。

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