正直な医師たちの「何とも言えない」発言で生じてしまったワクチン不安

 

実際のところ、そういった影響があるかないかと問われれば、やはり「分からない」としか答えようがない。何の過去実績もないからである。それは短期的に生じる副反応の類とは全く質が異なる。如何な高名な学者であっても空白の未来に対して保証することはできない。さらに言えば確率論的にも何も言えない。サンプルとなるデータ自体が不十分(事実上はないに等しかろう)だからである。

こういう時、何より大切なのはマスコミが事実を正しく伝えることである。斑の事実を、誇張という下の下のやり方で嵩増し埋め立てをして世間を煽り立てるような真似は断じてしてはならないのである。

日本はかつてワクチンで大失策をしている。HPVワクチンである。子宮頸がんを予防するこのワクチンは、所謂「多様な症状」(正確には「多様な症状」に関する過剰な報道)のせいで他の先進国ほどには一般に受け容れられなかった。そのワクチンが今どうなっているか?厚生労働省のホームページによれば「積極的な勧奨の差し控え」という扱いである。無料なのにである。

何となく見えては来ないだろうか。新型コロナワクチンが将来妊娠を考えている女性に対しては「積極的な勧奨の差し控え」扱いとなっている未来が。おっと、空白の未来を語るのは御法度であった。危ない、危ない。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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