黒幕は習近平か。露のウクライナ侵攻で台湾併合への士気を高める隣国の目論見

2022.03.24
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国際常識の範疇を大きく超え理解に苦しむプーチン大統領のウクライナ侵攻ですが、そこには「黒幕」の存在があるようです。その正体を習近平国家主席だと断言するのは、外務省や国連機関とも繋がりを持ち国際政治を熟知するアッズーリ氏。アッズーリ氏は今回の記事中に数々の「証拠」を挙げ、「習近平黒幕説」を立証しています。

ウクライナ情勢で士気を高める“黒幕”習近平

ついにプーチンがウクライナへの侵略という戦争を始めた。プーチンは長年苦しめられたロシア系住民の保護を目的とした軍事行動、要は人道的介入として正当化しようとしているが、これは明らかな国際法違反だ。多くの国際政治学者の間では“冷戦終結”、“冷戦後”など冷戦が終わったとのイメージが強いが、本当に冷戦は終わったと言えるのか。“冷戦敗者シンドローム”という病気に罹ったプーチンにとって、冷戦後どんどん東に拡大するNAT0は持病を悪化させる慢性疾患であり、ウクライナの問題で症状が一気に爆発したのが今回と言えるだろう。だが、今回のウクライナ侵攻はプーチンを巡る動向だけで終わらないだろう。要は、この問題にはプーチン以上の黒幕がいるのだ。その黒幕とは、中国の習近平だ。

習近平は今回のロシアによるウクライナ侵攻をどう思っているのだろうか。それを探る上で最近プーチンが発した言葉ある。ウクライナへの侵攻直前、プーチンは、「ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を独立国家として認める。ウクライナはロシアにとって単なる隣国ではない、ロシアの歴史、文化、精神的空間とは不可分なのだ」と発言したが、これは台湾について習近平が言及する内容と極めて似ている。これまで習近平は、「台湾は中国の内政問題で不可分の領土であり、中国の核心的利益だ。諸外国の如何なる政治的干渉も許さない、祖国の完全な統一は必ず実現しなければならない歴史的任務であり、そのためには武力行使も辞さない」と繰り返し発言している。習近平を筆頭とする中国共産党は長年にわたって内政不干渉を強調してきたことから、これまでのところ、ロシアによるウクライナ侵攻についてはそれを支持する言及はせず、“理解する”という文言にとどめている。

しかし、これは習近平に行動の自由を与えることになる恐れがある。要は、「冷戦敗者シンドロームに罹るプーチンは外国であるウクライナに侵略したが、台湾はそもそも我々にとって外国でもなく国内の一地域だ。よって、台湾に軍を進軍させたからといって諸外国にあれやこれや言われる資格はない」と習近平は考えるであろう。

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