安倍氏銃撃の「責任追及」すらNG。警察を批判できぬマスコミの臆病

shutterstock_558619903
 

日本の大マスコミは、その意見がどんなに重要なものであろうと、警察批判が含まれる場合は取り上げることを拒むのが実態のようです。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』では著者で現役医師の和田秀樹さんが、安倍元首相銃撃事件における警察の責任を問う原稿の掲載を、産経新聞社に断られていたことをリーク。さらにメディアが警察批判をしない理由を探るとともに、その姿勢を強く批判しています。

【関連】人選ミス。安倍氏銃撃を防げなかった中村格警察庁長官の力量不足

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

初月無料で読む

 

警察批判のできない国

安倍首相が殺されたことへの怒りが治まらず、前回書いたような警察批判をしたいと産経新聞の正論欄に申し込んだらものの見事に断られた。

【関連】人選ミス。安倍氏銃撃を防げなかった中村格警察庁長官の力量不足

産経新聞というと、保守論壇の総本山のようなところで、安倍氏とも近い人が多い。警察は何をやっているんだと思っている人も多いだろうと思ったのだが、甘かった。

正論欄に関してはメンバーからの申し出は原則的にOKしてくれるという話を聞いたこともあるし、私が提案して断られたことはない。

国葬になるレベルの総理大臣経験者が殺されても警察の批判は許されないという日本のマスコミのあり方に背筋が走った。

産経が警察との関係を重視したのか、それともマスコミは基本的に警察の批判ができないのかはわからない。

いずれにせよ、マスコミの警察批判、警察体制への批判はものすごく手緩い。

おそらくは、マスコミは警察とケンカして情報がもらえなくなるのが怖いのだろう。

取材をきちんとしたら警察情報などに頼らなくても済むのだろうが、それでは金がかかってしまう。

大きな事件はともかくとして、小さな事件まで含めると膨大な金となるのだろう。

そんな金を使うと社員の年収1,500万円が守れなくなるから、取材をしないで警察情報を垂れ流すというのが習い性になっているのだろう。

大マスコミが警察の批判をできないのなら中国以下だ。

中国だって、習近平の悪口さえ言わなければ、結構、警察の悪口を書いている。

警察批判ができないのなら、半永久的に警察組織は変わらない。

治安もよくならず、ストーカーなどの被害も被害届が受け入れられない状態が続く。レイプ被害もまともに捜査されず、現行犯でやりやすい痴漢だけは一生懸命捕まえられ、痴漢冤罪の被害も続くだろう。

実際、統一教会の被害が続いたのも警察がまじめに動かなかったからだ(これには政治家からの圧力があったという説もあるが)。

実際、拉致被害のときは、2回の現行犯逮捕をしているのに、当時は自民党に北朝鮮利権の人がいて、そこからの圧力で、即時釈放になっている。そして共産党が初めて、これを国会でとりあげた(当時は、親ソで、反中国・反北朝鮮だった)。それなのに拉致問題で共産党は北朝鮮の味方のように言われ、自民党が正義面をしているのに、私には釈然としない。

さて、拉致の即時釈放の話と自民党の圧力の話は、当時、産経の記者だった人から聞いたのだが、実際、警察のさまざまな問題点をマスコミは握っている。

それなのに書けない実態がある。

本当にひどい国だ。

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

初月無料で読む

 

image by: akiyoko / Shutterstock.com

※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2022年7月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。7月分のすべてのメルマガが届きます。

2022年7月配信分
  • 175回 警察批判のできない国(7/23)
  • 174回 警察トップの人選ミスが起こした悲劇(7/16)
  • 173回 日本の悲劇(7/9)
  • 172回 フィリピンと日本(7/2)

いますぐ初月無料購読!

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
2022年6月配信分
  • 171回 金持ち天国の日本(6/25)
  • 170回 マスコミの忖度とダブルスタンダード(6/18)
  • 169回 先のことが考えられない人たち(6/11)
  • 168回 薬をやめるのに医者の許可がいるのか(6/4)

2022年6月のバックナンバーを購入する

2022年5月配信分
  • 167回 テレビの本質(5/28)
  • 166回 変わらない老年医療と落ち目国(5/21)
  • 165回 名誉白人になりたがる国(5/14)
  • 164回 嘘の医学で医者の洗脳を行う学会(5/7)

2022年5月のバックナンバーを購入する

2022年4月配信分
  • 163回 地方をいじめたがる人々(4/30)
  • 162回 いい円安なんてあるのか?(4/23)
  • 161回 本性を現した中村格と警察の言いなりのマスコミ(4/16)
  • 160回 信じる者がバカをみる(4/9)
  • 159回 若造の考えた高齢者に不向きな宗教(4/2)

2022年4月のバックナンバーを購入する

2022年3月配信分
  • 158回 正義は誰が決めるものか(3/26)
  • 157回 欧米人のアジア人差別に加担して正義の味方気取りの日本人(3/19)
  • 156回 プーチンは狂っているのか?(3/12)
  • 155回 お前が言うなの国々(3/5)

2022年3月のバックナンバーを購入する

2022年2月配信分
  • 154回 死ぬのが怖くない人たちの強さ(2/26)
  • 読者のみなさまへ、バックナンバーのご案内(2/25)
  • 153回 度胸のない為政者たち(2/19)
  • 152回 根拠なしに煽る統計のわからない人々(2/12)
  • 151回 風邪で死ぬ人がいることがわからない人たち(2/5)

2022年2月のバックナンバーを購入する

2022年1月配信分
  • 150回 コミュ障受難時代(メタバース・面接)(1/29)
  • 149回 東大医学部病という病(1/22)
  • 148回 要介護地獄がくる(1/15)
  • 147回 2022年 年頭所感(1/8)

2022年1月のバックナンバーを購入する

2021年12月配信分
  • 146回 ただの風邪に大騒ぎをする国(12/25)
  • 145回 金持ちの卑しい国に独立はない(12/25)
  • 145回 金持ちの卑しい国に独立はない(12/18)
  • 144回 民主主義と脳の自由(12/11)
  • 143回 予防にばかり力を入れる予期不安の国(12/4)

2021年12月のバックナンバーを購入する

2021年11月配信分
  • 142回 金持ちがケチで、最終的に中国に頭があがらない国(11/27)
  • 141回 犠牲者の構造(11/20)
  • 140回 忖度の構造(11/13)
  • 139回 何も考えていない人たち(11/6)

2021年11月のバックナンバーを購入する

2021年10月配信分
  • 138回 東京一極集中の本当の解決策(10/30)
  • 137回 選挙対策で老人が贔屓されているという嘘(10/23)
  • 136回 皇族の心の健康をないがしろにする宮内庁(10/16)
  • 135回 複雑性PTSDを救え(10/9)
  • 134回 中村格時代の警察とそれにベッタリのテレビ局(10/2)

2021年10月のバックナンバーを購入する

2021年9月配信分
  • 133回 弱い女性の人権を認めないタリバン以下の自民党(9/25)
  • 132回 表に出ていることを素直に信じるバカ(9/18)
  • 131回 正義という名の暴力(9/11)
  • 130回 腐りきった日本の小児科(9/4)

2021年9月のバックナンバーを購入する

2021年8月配信分
  • 129回 医療崩壊でなく、医師のモラル崩壊(8/28)
  • 128回 コロナで死ぬか、ワクチンで死ぬか?(8/21)
  • 127回 日本だけ終わらないコロナ禍(8/14)
  • 126回 感染症学者とは?(8/7)

2021年8月のバックナンバーを購入する

2021年7月配信分
  • 125回 オリンピックと感染騒動(7/31)
  • 124回 トラウマを与えた人をどう扱うか(7/24)
  • 123回 70代というビジネスチャンス(7/17)
  • 122回 命は地球より重い国(7/10)
  • 121回 おもてなしはどこにいく(7/3)

2021年7月のバックナンバーを購入する

2021年6月配信分
  • 120回 すべては選挙のため(6/26)
  • 119回 なんのためのオリンピック(6/19)
  • 118回 生命の質とは(6/12)
  • 117回 コロナと学力低下(6/5)

2021年6月のバックナンバーを購入する

2021年5月配信分
  • 116回 コロナ感染者が減らない理由(5/29)
  • 115回 命ぎたない人間が戦争を起こし、恥をさらして終わらせる(5/22)
  • 114回 誰が上級市民なのか?(5/15)
  • 113回 現場の医師に見捨てられる日本医師会(5/8)
  • 112回 見えない教育虐待と自由のない国への徒手空拳の挑戦(5/1)

2021年5月のバックナンバーを購入する

2021年4月配信分
  • 111回 ものを深く考えられないのに肩書だけが立派なバカの恐怖(4/24)
  • 110回 予防万能社会の恐怖(4/17)
  • 109回 人権をふみにじる快感(4/10)
  • 108回 命vs人権(4/3)

2021年4月のバックナンバーを購入する

2021年3月配信分
  • 107回 差別や女性蔑視もみんなでやれば怖くないのか?(3/27)
  • 106回 感楽街の発想(3/20)
  • 105回 受験もゲーム、人生もゲーム(3/13)
  • 104回 コロナとアルコール(3/6)

2021年3月のバックナンバーを購入する

2021年2月配信分
  • 103回 トランプ支持者とマイルドヤンキー(2/27)
  • 102回 決めつけは差別の始まり(2/20)
  • 号外、長期的展望の欠如(2/17)
  • 101回 文化的生活という権利(2/13)
  • 100回 株価の謎(2/6)

2021年2月のバックナンバーを購入する

2021年1月配信分
  • 99回 医師の分断(1/30)
  • 98回 人間の尊厳と命(1/23)
  • 97回 ついている総理とついていない総理(1/16)
  • 96回 考えない人の国(1/9)
  • 95回 テレビに出ている奴が偉い社会(1/2)

2021年1月のバックナンバーを購入する

2020年12月配信分
  • 94回 愚民化政策の行く末(12/26)
  • 93回 「感染症」のためなら何でもしていいのか?(12/19)
  • 92回 迷惑系ユーチューバーの元凶は電通だ!(12/12)
  • 91回 老年医学会というクズ学会(12/5)

2020年12月のバックナンバーを購入する

2020年11月配信分
  • 90回 その病気で死ぬ人より副作用で死ぬ人が多い治療の強制がされる国(11/28)
  • 89回 引き算の医療から足し算の医療へ(11/21)
  • 88回 ウヨクの資金源にまつわる妄想(11/14)
  • 87回 人が変わる、世の中が変わると思えない人たち(11/7)

2020年11月のバックナンバーを購入する

2020年10月配信分
  • 86回 中国とどうつきあうか(10/31)
  • 85回 思考の自由のない国(10/24)
  • 84回 ワイドショーに出る人の思考回路(10/17)
  • 83回 報道の役割とは?(10/10)
  • 82回 菅総理の真意(10/3)

2020年10月のバックナンバーを購入する

2020年9月配信分
  • 81回 動かない警察によるコロナ禍(9/26)
  • 80回 一流の国とは?(9/19)
  • 79回 人に迷惑をかけてはいけない社会(9/12)
  • 78回 アベ政治のどこがすごい?(9/5)

2020年9月のバックナンバーを購入する

2020年8月配信分
  • 77回 コロナ禍の一筋の光(8/29)
  • 76回 強者の論理(8/22)
  • 75回 条約が憲法に優先する国の国際法違反(8/15)
  • 74回 獣医の言いなりになる人たち(8/8)
  • 73回 闘ったことのない人の戦い方(8/1)

2020年8月のバックナンバーを購入する

和田秀樹この著者の記事一覧

高齢者を専門とする精神科医、学派にとらわれない精神療法家、アンチエイジングドクター、そして映画監督として、なるべく幅広い考えをもちたい、良い加減のいい加減男。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」 』

【著者】 和田秀樹 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 土曜日

print
いま読まれてます

  • 安倍氏銃撃の「責任追及」すらNG。警察を批判できぬマスコミの臆病
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け