田中角栄以来46年ぶり首相級の逮捕か。森喜朗元首相の消えた“恫喝力”

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田中角栄氏以来46年ぶりとなる首相経験者の逮捕劇は、果たしてあり得るのでしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、ジャーナリストで『悪いのは誰だ!新国立競技場』の著者でもある上杉さんが、過去2回に引き続き五輪汚職問題を徹底追及。森元首相包囲網を狭める検察の動きと、2016年に目撃した2人のキーパーソンの「密談」現場の様子を紹介しています。

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国葬が終われば、東京地検特捜部は最後の仕上げに動くだろう。

なにしろ特捜部の悲願は1976年以来の首相級の逮捕だ。当然、狙いはスポーツ(体育)利権のドンである森喜朗元首相だ。

国葬の日、大広ルートで新たに逮捕者が出た。高橋治之容疑者も三度目の逮捕となり、これで20日間(延長含む)の拘留は確定的になった。

大阪に本社がある大広は博報堂の100%小会社である。ちなみに、博報堂DYの「D」は大広、「Y」は読広のそれぞれ頭文字で、巨人・電通に対抗するスポーツ部門の強化のために作られた広告代理店の連合体である。

ただ、今回の大広ルートが政治家に到達することはないだろう。オフィシャルサポーターのECCから「語学通訳事業」の一部を奪い取り、大広に振り分けたのは高橋容疑者だ。高橋スキームの捜査の一環である。

では、あの政治家に至るルートはなにかといえば、繰り返し『ニューズオプエド』でも指摘しているように駐車場事業、つまりパーク24ルートの「築地市場跡地」や「秩父宮ラグビー競技場」の利権である。

とりわけ秩父宮ラグビー競技場については、2019年に開催されたラグビーワールドカップ以来、森元首相利権の中核でもある。政治資金収支報告書や還流する資金の流れは、当時(7年前)の拙著『悪いのは誰だ!新国立競技場』(扶桑社新書)に詳述しているので、そこは触れない。

検察の動きが激しい。安倍元首相の蓋が外れたのはもちろん大きいが、なにより森元首相の体調が思わしくなく、永田町への忖度の必要がなくなっていることが、検察を元気にさせているのだろう。

2016年の春、ともに東京都都知事選に出馬した山口敏夫元労働大臣と私は、完成したばかりの虎ノ門ヒルズ前で一緒に演説したことがある。2005年くらいから五輪問題の取材をしていた私と、かつて高橋治之容疑者の弟ともに逮捕された経験のある山口氏とは、ある意味、オリンピック利権の構造を知り尽くしている「同志」でもあった。よって、候補者同士にもかかわらず、自主的に合同演説会を開催することになったのだ。

「森喜朗君。そんなところにいないで、出てきなさーい。森君、君はいつも逃げ回っている。安倍晋太郎さんが危篤の時もそうだった。小渕総理の時もそうだった。今回もまた、君はこそこそして、月額6,000万円の高額家賃のそんなビルの8階に逃げ隠れているのではないのか?」(山口氏)

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